Velvet Undergroundが残したもの

短期間で活動が終わってしまったVelvet Undergroundですが、その前衛性やカリスマ性で人気がありました。特にRou Reedの性的描写やドラッグ体験を文学的に書き上げた歌詞は、数多くのミュージシャンに影響を与えました。Rou Reedのロックと文学の融合やロックにおける芸術性は、ノーベル文学賞に受賞したBob Dylanと並ぶほどの重要人物です。Velvet Undergroundでもソロでも、ロックの殿堂入りをしました。また、初期メンバーのJohn Cale (Vocal, Viola, Bass, Keyboard)の現代音楽の導入による前衛的な音楽性も話題になりました。演奏は決して上手では無かったのですが、歌詞やメロディーセンス、前衛性、曲の良さなどがリスナーを惹きつけました。もっと活動して欲しかったバンドです。

Velvet Undergroundのメンバーは、Rou Reed (Vocal, Guitar)、John Cale (Viola, Bass, Keyboard)、Sterling Morrison (Guitar, Chorus)、Maureen Tucker (Drum, Chorus)という面々です。 John Cale脱退後はDoug Yule (Bass, Vocal)が変わって加入しました。

Velvet Undergroundは、定期的にニューヨークのGBGBというライブハウスに出演しました。多くのライブの海賊盤が出回りました。スタジオアルバムもいいのですが、ライブ盤は緊張感と当時の雰囲気が感じられて格好いいです。バンドをやっている人殆どが、必ず通るVelvet Undergroundの世界。今回はVelvet Undergroundが残した偉大なアルバムを取り上げます。

The Velvet Underground & Nico (1967)

バナナジャケットで有名なアルバムです。ジャケットデザインとプロデュースは、ポップアートの巨匠Andy Warholです。Andy Warholの判断で、Nico (Vocal)がメンバーに加わって何曲か歌っています。Nicoはこの1枚のみの参加で、その後はソロとして活動しました。このアルバムは発売当時はあまり売れませんでした。後年になって評価されたアルバムで、このアルバムに影響を受けたミュージシャンが数多くいます。このアルバムに収録されている曲も、多くのミュージシャンがカバーしました。今でも色褪せないすごいアルバムです。

1、Sunday Morning

2、I’m Waiting For The Man

3、Femme Fatale

4、Venus In Furs

5、Run Run Run

6、All Tomorrow’s Parties

7、Heroin

8、There She Goes Again

9、I’ll Be Your Mirror

10、The Black Angel’s Death Song

11、European Son

White Light / White Heat (1968)

John Caleの色が強く出たアルバムで、Velvet Undergroundの中でも最も実験的なアルバムです。即興やノイジーな演奏が目立ち、特に17分を超える大曲『Sister Ray』がこのアルバムを物語っています。このアルバムで、Rou ReedJohn Caleが対立してJohn Caleは脱退してしまいます。『White Light / White Heat』David Bowieもカバーした有名な曲です。

1、White Light / White Heat

2、The Gift

3、Lady Godiva’s Operation

4、Here She Comes Now

5、I Heard Her Call My Name

6、Sister Ray

The Velvet Underground (1969)

John Cale脱退後、Doug Yuleが加入して初めてのアルバムです。オープニングの『Candy Says』は加入して間もないDoug Yuleに唄わせた曲です。アルバム冒頭の曲を、新規加入したメンバーに歌わせるRou Reedの決断力の凄さ。またエンディングの曲『After Hours』Maureen Tuckerに唄わせた曲で、Rou Reed自身が唄うのが似合わない曲は他のメンバーに唄わせていました。他のメンバーが唄うことで、Velvet Undergroundの結束力を表現したアルバムです。アルバムタイトルからして、初心に戻ったと言えるアルバムです。このアルバムの影響力も大きかったです。

1、Candy Says

2、What Goes On

3、Some Kinda Love

4、Pale Blue Eyes

5、Jesus

6、Beginning To See The Light

7、I’m Set Free

8、That’s The Story Of My Life

9、The Murder Mystery

10、After Hours

Loaded (1970)

このアルバム制作前に、正規の4thアルバムを制作していました。しかしレコード会社は、売り上げが芳しくないことから契約解消されてしまいます。当然作っていたアルバムは未発表になってしまいます。別のレコード会社に移籍して新たに制作した4thアルバムが、このアルバムです。Velvet Undergroundの代表曲と言える『Sweet Jane』『Rock & Roll』が含まれており、このアルバムを推すミュージシャンが多くいます。レコード会社移籍が大きなプレッシャーとなって、Rou Reedが突然脱退してしまいます。

1、Who Loves The Sun

2、Sweet Jane

3、Rock & Roll

4、Cool It Down

5、New Age

6、Head Held High

7、Lonesome Cowboy Bill

8、I Found A Reason

9、Train Round The Bend

10、Oh! Sweet Nuthin’

Live At Max’s Kansas City (1972)

Rou Reed在籍時のライブアルバムです。Maureen Tuckerは妊娠中で、このライブには参加していません。今まで発表されたアルバムからの曲を、贅沢にチョイスしたライブ盤です。

1、I’m Waiting For The Man

2、Sweet Jane

3、Lonesome Cowboy Bill

4、Beginning To See The Light

5、I’ll Be Your Mirror

6、Pale Blue Eyes

7、Sunday Morning

8、New Age

9、Femme Fatale

10、After Hours

Squeeze (1973)

Rou Reed脱退後もレコード会社との契約が残っていました。しかし残ったメンバーもみんな脱退してしまいます。残ったのはDoug Yuleのみになってしまいます。何とかスタジオミュージシャンを使って作ったアルバムで、Velvet Underground名義で発表されていますが、実際はDoug Yuleのソロアルバムみたいなものです。

1、Little Jack

2、Crash

3、Caroline

4、Mean Old Man

5、Dopey Joe

6、Wordless

7、She’ll Make You Cry

8、Friends

9、Send No Letter

10、Jack & Jane

11、Louise

1969: The Velvet Underground Live (1974)

3rdアルバム『The Velvet Underground』 (1969)発表後のライブ盤です。まだ『Loaded』 (1970)発表前ですが、すでに『Sweet Jane』『Rock & Roll』が含まれています。未発表になってしまったアルバムに収録されており、ライブ盤の中でもベストなライブ盤と言えます。

Disc 1

1、Waiting For My Man

2、Lisa Says

3、What Goes On

4、Sweet Jane

5、We’re Gonna Have A Real Good Time Together

6、Femme Fatale

7、New Age

8、Rock & Roll

9、Beginning To See The Light

Disc 2

1、Ocean

2、Pale Blue Eyes

3、Heroin

4、Some Kinda Love

5、Over You

6、Sweet Bonnie Brown / It’s Just Too Much

7、White Light / White Heat

8、I’ll Be Your Mirror

VU (1985)

『Loaded 』(1970)発表前に作成された未発表アルバムが後年になって発表されました。第一弾がこのアルバムです。Velvet Underground未発表曲が発表され、発売当時に私は非常に嬉しくて予約して購入したのを覚えています。

1、I Can’t Stand It

2、Stephanie Says

3、She’s My Best Friend

4、Lisa Says

5、Ocean

6、Foggy Notion

7、Temptation Inside Your Heart

8、One Of These Days

9、Andy’s Chest

10、I’m Sticking With You

Another View (1986)

前作同様、未発表曲集の第二弾です。こんなに素晴らしい曲群を発表出来なかったのはVelvet Undergroundにとっても我々リスナーにとっても残念だったと思います。

1、We’re Gonna Have A Real Good Time Together

2、I’m Gonna Move Right In

3、Hey Mr. Rain (Version I)

4、Ride Into The Sun

5、Coney Island Steeplechase

6、Guess I’m Falling In Love (Instrumental Version)

7、Hey Mr. Rain (Version II)

8、Ferryboat Bill

9、Rock & Roll

Live MCMXCIII (1993)

解散後もメンバーの交流があり、オリジナルメンバーでの再結成の話が持ち上がりました。ライブツアーとニューアルバムの制作が計画されました。ライブツアーは行われましたが、このツアー中に、またもやRou ReedJohn Caleの仲が険悪となり、ニューアルバムの作成は中止で活動も中止になります。そのツアーのライブ盤は発売されました。映像も残っており、DVDで発売されました。この映像で初めて動くVelvet Undergroundを見ましたが、Maureen TuckerStanding Drumだったのには驚きました。

Disc 1

1、We’re Gonna Have A Real Good Time Together

2、Venus In Furs

3、Guess I’m Falling In Love

4、After Hours

5、All Tomorrow’s Parties

6、Some Kinda Love

7、I’ll Be Your Mirror

8、Beginning To See The Light

9、The Gift

10、I Heard Her Call My Name

11、Femme Fatale

Disc 2

1、Hey Mr. Rain

2、Sweet Jane

3、Velvet Nursery Rhyme

4、White Light / White Heat

5、I’m Sticking With You

6、Black Angel’s Death Song

7、Rock & Roll

8、I Can’t Stand It

9、I’m Waiting For The Man

10、Heroin

11、Pale Blue Eyes

12、Coyote

上記アルバムの他、『Peel Slowly & See』 (1995)、『Final V.U. 1971 – 1973 』(2001)、『Bootleg Series Volume 1: The Quine Tapes』 (2001)のボックスセットがあります。

『Peel Slowly & See』 (1995)は5枚組で、発表済みの曲の他にデモなどの貴重な音源が収録されています。1stのバナナジャケットを復刻したボックスで、バナナのシールが剥がせるようになっています。

『Final V.U. 1971 – 1973』 (2001)は4枚組で、Rou Reed脱退後のDoug YuleVocalを取っているライブ盤です。いつものナンバーがDoug YuleVocalに変わっているので、聴き比べすると面白いです。

『Bootleg Series Volume 1: The Quine Tapes 』(2001)は3枚組で、Robert Quineが所持していたライブテープを発表したものです。音質は良くないのですが、古き良き時代の雰囲気がすごく感じられるライブ盤です。タイトルにVolume 1となっていますが、第二弾は発表されていません。

Velvet Undergroundは売れなかったがソロで成功したRou Reed

実際、Velvet Undergroundはセールス的には失敗に終わりました。しかしこんなにもビッグネームになったのは、Rou Reedのソロの成功だったからかもしれません。Rou Reedが以前組んでいたバンドとなれば、誰もが聴いてみたくなります。後年になって評価されたのは、Velvet Undergroundが登場したのが早すぎたのかもしれません。Rou Reedはソロでも独特な世界観や歌詞でリスナーを魅了しました。

中でも驚いたアルバムがあります。スラッシュメタルバンドのMetallicaとのコラボレーションアルバム、『Lulu』(2011)です。Metallicaのヘビーな演奏の上で唄うRou ReedVocalが異様で、しかもそれがマッチしていて面白いアルバムでした。残念ながらRou Reedは2013年に亡くなってしまいますが、遺作となってしまいました。

Velvet UndergroundやRou Reedは永遠に語り継がれる

ロックの歴史は1960年代から始まりました。20世紀のロックの歴史の中でも、永遠と語り継がれるVelvet UndergroundRou Reed。こんなミュージシャンやバンドは、二度と出てこないかもしれません。冒頭にも書きましたが、文学とロックの融合やロックの芸術的表現は他のミュージシャンにも多大な影響を与えました。現在でも色褪せません。新たなバンドでもVelvet Undergroundの影響を受けているなと感じるバンドも数多く存在します。ノーベル文学賞に受賞したBob Dylanの評価は大きいのですが、Rou Reedの評価がそんなでもないのが残念で仕方ありません。私個人としては、Bob DylanよりもRou Reedの方が偉大なミュージシャンと感じます。

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