King Crimsonのダブルドラム、トリプルドラムの移り変わり

Robert Frippは、King Crimsonで複数のDrum Playerを同じ時期にメンバーにして、リズムの強化と複雑なリズム構成を構築します。複数のDrum Playerがいると、ライブを観た時に全然迫力が違うと感じます。とにかくライブ会場中が重低音が鳴り響き、音圧が体にぶつかり自分の座っている椅子まで揺れ動いている感じがします。それを実感したのが、2015年の来日公演でした。もちろん1995年の来日公演も行きましたが、この時よりも音圧がすごかったです。複数のDrum Playerを一緒にプレイさせるRobert Frippの意図がよく分かりました。

King Crimsonはダブルドラムの時期と、現行のトリプルドラムがあります。その複数のDrum Playerの移り変わりを振り返ってみます。

Bill Bruford & Jamie Muir

始まりはここからでした。Yesから移籍したBill BrufordDerek Bailey (Guitar)の即興集団で活躍していたJamie Muirのコンビです。Jamie MuirPercussionをプレイしますが、Drumもプレイします。Bill Brufordが基本的なリズムを刻み、Jamie MuirがアナーキーなPercussionプレイをして観る者を圧倒します。動物の毛皮を身に纏い、血糊入りカプセルを口に入れて血を吐いたり、スピーカーシステムによじ登ったりと本当に圧倒されたステージングをします。ドイツのテレビ番組、Beat Clubの映像が唯一残っていますが、この映像を観た時は本当に驚かされました。このコンビのスタジオアルバムは、『Larks’ Tongues In Aspic』 (1973)しか残っていませんが、後になって発掘ライブ音源も発表されています。

Bill Bruford & Adrian Belew

1981年から1984年まで活動したKing Crimsonで、ライブの時のみAdrian Belew (Guitar)DrumElectric Percussionをプレイしました。Adrian BelewのキャリアスタートがDrumで、ソロアルバムではDrumを含む全ての楽器をプレイしています。Adrian Belewが基本リズムを刻んで、Bill BrufordElectric PercussionDrumを重ねて複雑なリズムを表現しました。スタジオアルバムでは、全てのリズムセクションはBill Brufordが担当しています。

Bill Bruford & Pat Mastelotto

ダブルトリオと名付けられたKing Crimsonのリズムセクションコンビです。David Sylvian & Rober Frippのツアーメンバーに参加したPat Mastelottoですが、以後King Crimsonに召集されてから現在までKing Crimsonに在籍しています。このコンビのスタジオアルバムは『THRAK』(1995)のみ ですが、数多くのライブ盤が存在しています。映像作品も残されています。

Pat Mastelotto & Gavin Harrison

デビュー40周年で活動再開をしたKing Crimsonが新たなメンバーが発表された時は嬉しくなりました。Robert Fripp (Guitar)、Adrian Belew (Guitar)、Tony Levin (Bass, Stick)、Pat Mastelotto (Drum)、Gavin Harrison (Drum)で、またダブルドラムでした。Gavin HarrisonPorcupine Treeのメンバーでもあり、King CrimsonPorcupine Treeと深い関係があります。Porcupine TreeのリーダーであるSteven Wilson (Vocal, Guitar)King Crimsonの40周年記念DVDオーディオのプロデューサー、Colin Edwin (Bass)Pat MastelottoO.R.k.というバンドを結成しています。この時期のKing Crimsonは2008年のアメリカツアーのみでアルバムは発表していません。活動を本格化させようとRobert Frippがメンバーに打診しましたが、Adrian Belewの自身のバンドツアーとのダブルブッキングにRobert Frippは激怒して活動休止になります。アメリカツアーのライブ盤も発売予定でしたが、発売中止になりました。唯一Boxセットの『Heaven & Earth』(2019)で、アメリカツアーの音源が収録されています。Adrian BelewKing Crimsonのメンバーから外されてしまいます。

Pat Mastelotto & Gavin Harrison & Bill Rieflin

2014年に復活したKing Crimsonはフロントラインにトリプルドラムを置くというコンセプトで、3人のDrum Playerが召集されました。Pat MastelottoGavin Harrisonの他に、Robert Frippの主宰したGuitar Craftに参加した、弟子であるBill Rieflinが参加しました。Bill RieflinDrumの他に、Guitar、Bass、Keyboardもプレイするマルチプレイヤーです。個別のリハーサルでは、Bassをプレイしたりしていました。現行King Crimsonはスタジオアルバムは作っておらず、全てライブ盤です。映像作品も数多く発売しています。

Pat Mastelotto & Gavin Harrison & Jeremy Stacey

Bill Rieflinが病気療養のために一時離脱した際に召集されたのがセッションで活躍していた実力派DrummerJeremy Staceyです。あまり知られていませんが、Jeremy Staceyは双子の兄がいます。Bill RieflinよりもDrumのテクニックは上だと思います。細かいパルスも大きなパルスも、独特なグルーブ感を持っています。しかし3人もDrumがいると、聴き分けるのが難しいのですが。復帰したBill RieflinKeyboradに専念します。そしてまた病気療養のために離脱します。残念ながらBill Rieflinは亡くなってしまいました。

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