John Wetton率いるスーパーグループ、U.K.の歴史

King Crimson『Red』 (1974)発売と同時に、Robert Frippは解散宣言をします。King Crimsonの最後のメンバーだったJohn Wetton (Bass, Vocal)Bill Bruford (Drum)は、King Crimsonを引き継ごうとしました。しかしKing CrimsonRobert Frippのバンドだと別のバンドを結成することにします。それが英国紳士のスーパーバンド、U.K.です。John WettonRoxy Musicで共演したEddie Jobson (Violin, Keyboard)に声を掛け、Bill Brufordは自身のソロアルバム 『Feels Good To Me』(1977)に参加していたAllan Holdsworth (Guitar)に声を掛けて4人でバンドを結成することになります。

U.K. (1978)

King Crimson的なサウンドになるかと思いましたが、全然違ったサウンドになりました。Allan HoldsworthGuitarが、フュージョン寄りのサウンドでした。楽曲は練りこまれた曲が多く、複雑なリズムアレンジと組曲的なアンサンブルが多く、1曲目からすごい曲のオンパレードで聴く者を圧倒します。しかしライブをこなすと、明らかにサウンドの好みが分かれてロック趣向のJohn WettonEddie Jobson、フュージョン趣向のBill BrufordAllan Holdsworthが内部分裂します。このアルバムでBill BrufordAllan Holdsworthが脱退してしまいます。Bill BrufordAllan Holdsworthは、新たなジャズロック的フュージョンバンドBrufordを結成します。このバンドは、Bill Brufordのソロに参加したメンバーで結成されました。

1、In The Dead Of Night

2、By The Light Of Day

3、Presto Vivace And Reprise

4、Thirty Years

5、Alaska

6、Time To Kil

7、Nevermore

8、Mental Medication

Danger Money (1979)

John WettonEddie Jobsonは新たにバンドを立て直すために、新メンバーを探します。白羽の矢が立ったのが、Eddie JobsonFrank Zappa Bandで共演したTerry Bozzio (Drum)でした。Terry Bozzioはアメリカ人でしたが、U.K.というバンド名で構わないと加入しました。Guitarは入れずにKeyboard Trioとして新たなアルバムを作成したのがこのアルバムです。前作よりも歌を前面に押し出したサウンドで、難解なサウンドではなくて分かりやすいサウンドに変化しました。

1、Danger Money

2、Rendezvous 6:02

3、The Only Thing She Needs

4、Caesar’s Palace Blues

5、Nothing To Lose

6、Carrying No Cross

Night After Night (1979)

初来日したライブ音源です。日本に向かう飛行機の中で作った未発表曲も収録されています。このライブ盤を聴くと、いかに日本で人気があったバンドか歓声で分かります。後年、このアルバムの完全版が発売されましたが、今や入手困難となっています。その後バンドはツアーを続けるも、John WettonEddie Jobsonに亀裂が生じて解散が決定されました。スーパーグループが故、短命でした。John WettonはこれもスーパーグループとなったAsiaを結成します。元King CrimsonJohn Wetton (Bass, Vocal)の他、元EL&PCarl Palmer (Drum)、元YesSteve Howe (Guitar)Geoff Downes (Keyboard)とすごい豪華なメンバーでした。Eddie JobsonはソロとCM音楽の制作に移行します。

1、Night After Night

2、Rendezvous 6:02

3、Nothing To Lose

4、As Long As You Want Me Here

5、Alaska

6、Time To Kill

7、Presto Vivace

8、In The Dead Of Night

9、Caesar’s Palace Blues

Concert Classics Vol. 4 (1999)

後年になって、4人編成時代のラジオ出演時のライブ盤が発売されました。4人編成時代のライブ音源は海賊盤以外ありませんでしたので、非常に新鮮でした。『Caesar’s Palace Blues』が演奏されていて、Keyboard Trioと聴き比べるのが面白いです。後年になってい『Live In Boston』となって、再発されました。

1、Alaska

2、Time To Kill

3、The Only Thing She Needs

4、Carrying No Cross

5、Thirty Years

6、In The Dead Of Night

7、Caesar’s Palace Blues

Radiation (2009) UKZ

Eddie JobsonU.K.の流れを汲むバンド、UKZを結成します。メンバーはEddie JobsonのほかにAlex Machacek (Guitar)、Trey Gunn (Warr Guitar)、Marco Minnemann (Drum)、 Aaron Lippert (Vocal)の5人編成です。各メンバーが世界中から集められました。Alex Machacekはオーストリア人、Trey Gunnはアメリカ人、Marco Minnemannはドイツ人、Aaron Lippertはベルギー人で、イギリス人はEddie Jobsonのみでした。国際的メンバーで、U.K.の流れを汲むバンド結成というのが面白いです。そしてミニアルバムを制作して来日公演もします。しかしメンバーが集まるのが難しいのと、各人の活動が忙しいことから活動休止になってしまいます。フルアルバムを期待しましたが、残念ながらミニアルバムのみでした。

1、Radiation

2、Houston

3、Tu-95

4、Legend

Ultimate Zero Tour (2010) U-Z Project

UKZの活動休止後にEddie Jobsonは自身のソロプロジェクト、U-Z Projectを開始します。UKZの一部メンバーのほか、Greg Howe (Guitar)、Tony Levin (Stick)などが参加しました。ツアーごとにメンバーが違っていました。その中に、John Wettonの姿もありました。U.K.UKZの曲のほかにKing CrimsonEL&Pの曲などが演奏されました。

Disc U

1、Alaska

2、Presto Vivace

3、In The Dead Of Night

4、Starless

5、Zero 1

6、Book Of Saturday

7、Zero 2

8、One More Red Nightmare

9、Caesar’s Palace Blues

10、Sahara Of Snow Pt. II

Disc Z

1、Zero 3

2、Red

3、Zero 4

4、Awakening

5、Zero 5 – Ice Festival, Theme Of Secrets, Prelude

6、Carrying No Cross

7、The Only Thing She Needs

8、Nevermore (Ending)

Reunion Live In Tokyo (2013)

U-Z ProjectJohn WettonEddie Jobsonが再共演をしたのをきっかけに、2011年にU.K.が再結成されました。UKZからAlex Machacek (Guitar)Marco Minnemann (Drum)が参加しました。スケジュールの都合で何度かDrum Playerが変わっていきます。その中には何とTerry Bozzioが参加しました。しかしTerry Bozzioはアルバムの制作やライブアルバムを頑なに拒否します。ライブのみの参加でした。日本で行われたライブ音源が発売されましたが、この時のメンバーはAlex MachacekMarco Minnemannでした。アルバムタイトルが『Live In Tokyo』となっていますが、実際に行われたのは神奈川県川崎市にあるライブハウスClub Citta’ で行われたライブ音源です。

Disc 1

1、In The Dead Of Night

2、By The Light Of Day

3、Presto Vivace And Reprise

4、Danger Money

5、Thirty Years

6、Alaska

7、Time To Kill

8、Starless

9、Carrying No Cross

Disc 2

1、Violin Solo

2、Nevermore

3、One More Red Nightmare

4、Caesar’s Palace Blues

5、The Only Thing She Needs

6、Rendezvous 6:02

Curtain Call (2015)

1stアルバム『U.K.』(1978)2ndアルバム『Danger Money』(1979)を完全再現するライブを行い、アルバム化されました。John WettonAsiaの活動が忙しいことから、このアルバムを持って活動休止が決まっていました。このライブアルバムに参加メンバーは、前ライブアルバム同様Alex MachacekMarco Minnemannでした。

Disc 1

1、In The Dead Of Night

2、By The Light Of Day

3、Presto Vivace And Reprise

4、Thirty Years

5、Alaska

6、Time To Kill

7、Nevermore

8、Mental Medication

9、Drum Solo

Disc 2

1、Danger Money

2、Rendezvous 6:02

3、The Only Thing She Needs

4、Caesar’s Palace Blues

5、Nothing To Lose

6、Carrying No Cross

7、Waiting For You

8、Night After Night

9、As Long As You Want Me Here

John Wettonの死去、Eddie Jobsonのライブツアーの引退

John Wettonの病気が悪化し、活動していたAsiaを一時活動休止にして病気療養に専念します。この頃のJohn Wettonの写真を見ましたが、かなり痩せてしまっていました。しばらくすると病状が悪化し、2017年に残念ながら亡くなってしまいました。U.K.ファンやAsiaファンもそうですが、King Crimsonファンからも悲しがられました。私もJohn Wettonの訃報には驚きと悲しみと怒りでいっぱいでした。

一方Eddie Jobsonは、2017年にファンのコミュニティーサイトでライブツアーからの引退を表明しました。理由はJohn Wettonの死去ももちろんそうですが、身内の不幸が続いてJohn Wettonを含めて9人も亡くなってしまったそうです。またEddie Jobson自身も交通事故で治療中ということもあったそうです。これで事実上U.K.が無くなって、UKZの活動再開も無くなってしまいました。2011年に再結成された時、スタジオアルバムを作って欲しかったです。

Eddie JobsonU.K.のボックスセット『Ultimate Collector’s Edition』 (2016)を作成します。内容は1st2ndのリマスター、『Night After Night』 (1979)の完全版、その他のライブ音源が多数収録されています。しかし完全限定版だったため、すでに入手困難となっています。

また、2019年になって、4人編成時代のライブ音源が3枚リリースされています。

オリジナルアルバム2枚でも語り継がれるU.K.

バンド結成からメンバーチェンジ、解散、派生バンドやプロジェクト、バンド再結成と歴史は長かったのですが、オリジナルアルバムは2枚のみでした。しかしリスナーからは凄いバンドだったと語り継がれています。メンバーがすごかったこと、曲の難解さや分かりやすさ、親しみやすさ、John Wettonの歌声、Eddie Jobsonの演奏力が魅力でした。特にEddie JobsonViolinKeyboardというスタイルは、かなりの影響力がありました。Keyboard PlayerでViolinも演奏するミュージシャンが多数出てきました。

United Kingdomをバンド名にした英国紳士達。永遠にロック界で語り継がれるバンドです。

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