John Lydon率いるPublic Image Ltdの音楽性の変化

Sex PistolsJohnny Rottenが、『ロックは死んだ』と言い放ちSex Pistolsを脱退し、本名のJohn Lydonを名乗って結成したのがPublic Image Ltd、略してPiLです。

長い活動期間がありますので、音楽性がどんどん変わっていきます。特に初期の頃のアルバムは、本当に面白いです。音楽ファンの方なら、一度聴いて欲しいアルバムがたくさんあります。そんなPilのアルバムを紹介します。

Public Image (1978)

The CrashKeith Levene (Guitar)と結成し作成した1stです。このアルバム、Sex Pistolsとは全くの別物です。繰り返されるBassのリフにノイジーなGuitarをバックにJohn Lydonが叫びます。Sex Pistolsはパンクバンドと言っても、割とポップでした。しかしこのアルバムはポップではありません。歌メロは単調で、バックがノイジーな感じです。初めて聴いた時は驚いてしまい、何回も聴き返してしまいました。初期PiLの中では、割と聴きやすいアルバムです。

Metal Box (1979)

2ndは、とんでもなくノイジーでギラギラしています。ミュージシャンの中では、このアルバムに影響を受けたという人が何人もいます。それぐらい尖っていてギラギラしているアルバムです。発売当初はLP45回転で3枚組、金属製BOXに入れられて発売されました。タイトルもここからきています。通常盤として、曲順を変えてLP33回転の2枚組で発売された『Second Edition』もあります。CD化された時は、この曲順で発売されました。

 Paris Au Printemps (Paris In The Spring) (1980)

レコード会社との契約のためか、途中から始まったり音が悪かったりするライブ盤です。しかしその音の悪さ、途中から始まる曲など、ブートレグ盤の様な迫力があります。

The Flowers Of Romance (1981)

アルバム作成前にBassが脱退し、ベースが一切入っていません。『Metal Box』(1979)よりもよりハードになりました。ノイジーなアルバムで、民族音楽的要素も取り入れられています。坂本龍一さんも影響を受けたアルバムに、このアルバムを取り上げています。

Commercial Zone (1983)

このアルバムを作成し、ミックスダウンの時にJohn LydonKeith Leveneの意見が食い違って結局発売はされずにKeith Leveneは脱退してしまいます。しかしKeith Leveneは自主制作盤で、このアルバムをリリースします。ジャケットの絵が無く、白いジャケットで中心をくりぬいてレコードのレーベルを見える様にしただけだったと思います。後にブートレグ盤でCDが出回りました。私はこのアルバムがPiLの中で一番好きです。

Live In Tokyo (1983)

東京で行われたライブ盤です。しかしすでにKeith Leveneは脱退していたので、Drum以外はスタジオミュージシャンでライブが行われています。ヒットした『(This Is Not A) Love Song』も収録されていて、日本の観客と一緒に唄っているのが印象的です。プロモーションビデオでは、『Commercial Zone』 (1983)の音源が使われていました。このライブ盤はPiLの音では無いと酷評を受けましたが、アルバム自体はそこそこ売れました。LP45回転の2枚組で発売されました。

 This Is What You Want… This Is What You Get (1984)

Keith Leveneが自主制作で発表した『Commercial Zone』 (1983)に対するJohn Lydonの答えがこのアルバムです。ディスコサウンドっぽい感じになっています。やはり初期PiLを支えたKeith Leveneのサウンドの方が格好良いと思います。一応このアルバムまでが初期のPiLになります。

Album (1985)

アバンギャルドなBass Player、Bill Laswellがプロディースしています。録音にも参加しています。ポップでありながら割とハードなサウンドです。坂本龍一 (Keyboad)、Steve Vai (Guitar)、Tony Williams (Drum)、Ginger Baker (Drum)と多彩なゲストが参加しています。LPのタイトルは『Album』ですが、CDのタイトルは『Compact Disc』、カセットのタイトルは『Cassette Tape』で発売されました。

Happy? (1987)

段々とポップ化していくサウンドになっていきます。参加ミュージシャンがJohn McGeoch (Guitar)Allan Dias (Bass)Bruce Smith (Drum)ですので、ポップ化していくのがなんとなく分かります。これ、PiLのアルバム?と思ってしまうくらい変わってしまいました。初期のPiLとは全く別物のサウンドです。

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9 (1989)

『Commercial Zone 』(1983)を抜かして、ライブ盤を含めたら9番目に発売されたアルバムです。タイトルは9番目のアルバムの意味から取られています。前作同様にポップ路線のままです。メンバーも前作とほぼ同じです。

That What Is Not (1991)

これもポップ路線です。John McGeoch (Guitar)Allan Dias (Bass)は参加していますが、このアルバムではBruce Smith (Drum)が参加していません。Sex PistolsGod Save The Queen』の音源をサンプリングで使っています。このアルバム発表後、PiLは活動休止をします。

Alife 2009 (Academy Manchester) (2009)

活動再開して発売したアルバムはライブ盤です。初期の頃の曲から、活動休止までの曲を取り上げているのでベスト盤的なライブ盤です。2枚組なので聴き応えがあります。もう入手困難になっています。

Live At The Isle Of Wight Festival (2011)

ワイト島フェスティバルに参加した時のライブ音源を、CD-R発売しました。ベスト盤的な選曲になっていますが、こちらもすでに入手困難になっています。

Live At Rockpalast 1983 (2012)

1983年のドイツのミュージックハウス、Rockpalastで行われたライブ盤です。初期のライブ音源は、『Paris Au Printemps (Paris In The Spring) 』(1980)しかなかったので、非常に貴重なライブ盤です。

This Is PiL (2012)

20年振りのスタジオ録音のアルバムです。音的にはポップ路線+ニューウェイブ+今っぽいと言ったらいいのでしょうか。初期PiLの音を期待するのは無理ですが、まずまずの作品です。

What The World Needs Now… (2015)

前作と踏襲している感じがします。このアルバム発表後、『在庫がなくなり次第販売は終了する。購入はお早めに』John Lydonはコメントしています。

パンクバンドからノイズ系バンド、そしてポップバンドと変化していったPiLですが、『What The World Needs Now… 』(2015)以降はアルバムを発表していません。2018年に結成40周年を記念して、PiLのドキュメンタリー映像『The Public Image Is Rotten』をデジタルリリースしています。

年を取っても悪童のままのJohn Lydon。早く新しいアルバムを作って欲しいものです。

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