Fripp & Eno等のRobert FrippのDuo、Torio作品をまとめました

King Crimsonのリーダー、Robert FrippKing Crimson以外にもDuo作品やTorio作品を多く出しています。あまり注目されませんので、まとめてみました。

Michael Giles, Peter Giles & Robert Fripp

ご存知、King Crimsonの布石となったユニットです。このユニットが無かったら、King Crimsonは存在しなかった非常に重要なユニットです。Michael GilesPerer Giles兄弟はデビューするために歌えるOrgan奏者を募集していました。そこに応募してきたのが歌えないGuitar奏者、Robert Frippだったのは有名な話です。

The Cheerful Insanity Of Giles, Giles & Fripp (1968)

アルバム自体はKing Crimsonとは全くの別物で歌ものアルバムです。しかしRobert Frippのソロバースでは、現在のRobert Fripp的なギターアルペジオを聴くことも出来ます。非常にユーモラスな作品で、King Crimson1stアルバム『In The Court Of The Crimson King』(1968)を想像して聴くと、肩透かしをくらいます。後にこのユニットにIan McDonaldJudy Dybleが加入します。King Crimsonの初めてのベストアルバム『Young Persons’ Guide To King Crimson』(1975)に収録されている『I Talk To Wind』はこの時期の録音で、Judy Dybleが歌を歌っています。

The Brondesbury Tapes(2001)

Metaphormosis(2001)というアルバムがThe Cheerful Insanity Of Giles, Giles & Frippのテイクアウト集ということでアナログレコードで突然発売されました。MetaphormosisCD版的なアルバムですが、Metaphormosisに収録されていた曲が収録されていなかったり、中途半端なテイクアウト集になってしまいました。しかしKing Crimsonの布石となったGiles, Giles & Frippの作品ということで、King Crimsonファンとしては聴いておきたいアイテムです。

Robert Fripp & Braian Eno

Robert FrippDuo作品で有名なのが、 Braian EnoとのコラボレーションFripp & Enoです。元Roxy MusicBraian Enoのソロ作品にも多く客演しているRobert Frippですが、Fripp & EnoとしてDuo作品も多く発表しています。Robert FrippのループシステムFrippertronicsを開発したのがBraian Enoで、何台ものテープデッキがあって録音や再生を繰り返して、演奏者も予想がつかないループが生まれるシステムです。その縁からかRobert FrippBraian Enoはコラボレーションを続けています。

・『No Pussyfooting』(1973)

1973年頃のKing Crimsonの入場曲に使われていた曲が収録されています。基本的にBraian Enoはテープ操作やシーケンサー、シンセサイザーを操作してRobert FrippFrippertronicsで音を発振しています。調性感はあまりなく、アンビエント作品と捉えられることが多いです。後年になってこのアルバムを逆再生した音源や、ハーフスピード版が発売になりました。つまり普通に聞いても逆から聞いても、テンポが違っても問題無いという認識でしょうね。アンビエントに慣れていない方には辛い作品かもしれません。ただ、1973年頃のKing Crimsonのライブアルバムを聴いたことがある方だったら、『この曲聴いたことがある!』となるかもしれません。

・『Live In Paris 1975』(1975)

パリのオランピア劇場で行われたライブの実況録音版です。King Crimson公式サイトDGM Liveでダウンロード販売されていたものを、2011年にCD化して発売しました。このアンビエントの曲調でライブまでやってしまう大胆さがすごいですね。CDは3枚組で結構聞き応えがあります。基本的に完全即興でループした音にRobert FrippFrippertronicsでギターを発振する手法。観客も何を演奏するのかが分からなかった可能性が高いです。後に発表する『Evening Star』 (1975)の元曲となったインプロビゼーション曲も収録されています。

・『Evening Star』(1975)

Fripp & Eno2ndアルバムです。パリでのライブの音源を元に加工したものもあり、1stアルバムよりも短めな曲が多く聴きやすくなっています。また、Braian Enoのソロアルバムからの抜粋部分もあります。

・『The Essential Fripp & Eno』(1994)

Fripp & Enoのベスト盤的なアルバムと、後半の『Healthy Colours1〜4』は新曲でDrum音源を導入した意欲作。Drum入っている分、リズミックで非常に聴きやすくなっています。

・『The Equatorial Stars』(2004)

Robert FrippFrippertronicsが進化し、独自のエフェクターとギターシンセを組み合わせて、新たにシステムをSoundscapesと名付けてFripp & Enoに初めて導入した作品。短めな曲が多いのですが、相変わらずアンビエント作品です。

・『Beyond Even (1992-2006)』(2007)

Robert FrippBraian Enoの他にTim HarriesTrey Gunnが参加した作品です。King Crimson公式サイトDGM Live!でダウンロード販売されていた作品のCD化した作品です。Fripp & Enoの作品というよりも、Robert FrippSoundscapesBraian Enoがサンプリング化したBraian Enoの作品的イメージが強いアルバムです。リズムもありますし、非常に聴きやすいアルバムでお勧めです。この後、Fripp & Enoとしての作品の発売はありません。

Andy Summers & Robert Fripp

Robert FrippAndy Summersの出会いは、デビュー前のRobert Frippの行きつけの楽器店にAndy Summersがアルバイトで勤めていた頃からの知り合いです。Andy Summersはご存知The Policeのメンバーですが、サイケデリック時代のSoft Machineに参加していたこともあります。残念ながらアルバムには参加しておらず、ツアーメンバーだった様です。Summers & Frippのアルバムは80年代のKing Crimson活動中に発表されました。

・『I Advance Masked』(1982)

邦タイトル『心象現象』と名付けられたこのアルバムですが、割と80年代のKing Crimsonに似た感じの音楽性になっている気がします。こんなスタイルでGuitarを弾くAndy Summersは初めて聴いたので、びっくりしたのを覚えています。かなり人気の作品で、コレクターズアイテムとなっています。

・『Bewitched』(1984)

邦タイトル『擬制の映像』と名付けられたアルバムです。前作の I Advance MaskedAndy SummersRobert Frippの共同プロデュースとなっていましたが、今作はAndy Summers単独プロデュース作品となっています。恐らくAndy Summers主導のもと作られた作品で、Andy Summers作曲の『Parade』はシングルカットされて、プロモーションビデオまで作成されました。このアルバム2枚でこのユニットは終焉を迎えてしまいました。

David Sylvian & Robert Fripp

1995年に活動するダブルトリオ期のKing Crimsonを活動を思い立ったRobert Frippが、まず元JapanDavid Sylvianに声を掛けたが、『Robertとの活動はKing Crimson以外で』King Crimson加入を丁重に断られてできたユニットです。

・『First Days』(1993)

David Sylvianのソロアルバムはインストの即興タイプのものにRobert Frippが客演しているものが多いのですが、このアルバムは完全な歌物です。David Sylvianが作詞をして歌う、このことにRobert Frippは、『歌う人が歌詞を書くのが一番ベスト』とインタビューで答えています。また、David Sylvianのソロアルバムみたいなアンビエント即興にならなかったことに、インタビュアーは『妥協ですか?』と尋ねたところ、 Robert Fripp『協力だ』と答えています。ベースパートはTrey GunnStickで参加しています。

・『Damage』(1994)

Sylvian & Frippのライブ作品です。スタジオアルバム『First Days』(1993)DrumJerry marottaが叩いていましたが、ツアーメンバーは現King CrimsonPat Mastelottoが叩いています。これ以降のKing Crimsonの作品には、Pat Mastelottoが全て参加しているので、Robert Frippからすればいいドラマーを見つけたユニットだったのかなと思います。このアルバムのプロデュースはRobert Frippがしていますが、2001年にDavid Sylvianプロデュース版が発売されました。これ以降、Sylvian & Frippとしての活動はありません。

Bill Rieflin, Robert Fripp & Trey Gunn

The Repercussions Of Angelic Behavior』(1999)

Robert Frippは自身でGuitar Craftという音楽教室(?)を主催しており、Guitar Craft出身者の2名とのコラボ作品。現King CrimsonBill Rieflinと元King CrimsonTrey Gunnとのユニットで唯一の作品。Bill RieflinDrumで参加していますが、GuitarBassKeyboardDrumとなんでも演奏出来るマルチミュージシャンです。Robert Frippの奥方のToyah WillcoxThe Humansというバンドにも色々な楽器で参加してます。このアルバムですが、曲名が記載されていません。しかし格好いいです。もしかしたらRobert Frippのコラボレーション作品の中では一番好きかもしれません。興味がある方は是非聴いてもらいたい1枚です。

Jeffery Fayman & Robert Fripp

・『A Temple In The Clouds』(2000)

前述のRober Fripp主催のGuitar Craftから色々なバンドやユニットが派生しました。その中の1つにTen Secondsというバンドがありますが、そこでKeyboardを弾いていたJeffery Faymanとのコラボレーション作品です。ちなみにTen SecondsにはBill Rieflinも参加していました。基本的にRobert FrippSoundscapesの録音したものを、Jeffery Faymanが編集、加工をしたアルバムです。アンビエント作品というよりもRobert FrippSoundscapesもののソロ作品に近い作品です。

Theo Travis & Robert Fripp

Theo Travisのソロ作品にRobert Frippが客演したのがきっかけで派生したユニットです。Theo TravisSoft Machine Legacy (後にSoft Machineへ改名)参加のSax、Flute奏者です。1999年頃、Elton DeanHugh HopperKeith TippettJohn MarshallSoft Wareというバンドで活動していました。これを見たレコード会社がSoft Machineとしてアルバムを作成しないかと打診されます。そこでKeith Tippettが脱退し、代わりにAlan Holdsworsが加入します。しかしSoft Machineの名称を所持している最後のメンバーKarl JenkinsSoft Machineの名前の使用をの許可しなかったためにSoft Worksとして『Abracadabra』(2008)を発表します。アルバム発表、ツアー後にAlan Holdsworsが脱退してSoft Machineの旧メンバーであったJohn Etheridgeが加入します。バンド名をSoft Machine Legacyに変更して再出発をしますが、2006年にElton Deanが死去、そこで加入したのがTheo Travisでした。2009年にはHugh Hopperが死去して活動休止状態になります。その後にこちらもSoft Machineの旧メンバーであったRoy Babbingtonが加入し活動再開します。2015年にKarl Jenkinsの許可が下りたのか、バンド名をSoft Machineに改名します。2018年にアルバム『Hidden Details』(2018)を発表します。そのツアーを持ってJohn MarshallRoy Babbingtonが音楽活動から引退を表明します。現状何のアナウンスはされていませんが、Soft Machineの歴史は終わったと考えて良いでしょう。

・『Thread』(2008)

Theo Travisのソロ作品『Doubule Talk』(2008)Robert Frippが客演した際、録音したマテリアルにTheo Travisがオーバダブして出来上がった作品です。SoundscapesFluteの相性が良く、非常に耳障りの良い作品に仕上がっています。

・『Live At Coventry Cathedral』(2012)

Travis & Frippアルバム第二弾は、コンベトリー教会でのライブ実況録音版です。聴きどころは、KIng Crimsonのナンバー『Moonchild』をモチーフにして、ジャズ的手法でインプロビゼーションを行った曲が収録されているところです。

・『Follow』(2012)

Travis & Frippアルバム第三弾は、CD+DVD Audioの2枚組で発売されました。また、Video Contentsも収録されており、Travis & Frippを知るには丁度いい作品かもしれません。Travis & Frippは、基本的教会でライブを行っておりますが、そのマテリアルは膨大に録音されております。Theo Travisが編集してCD化することが多いのですが、このアルバムもTheo TravisCD化した作品です。

・『Discretion』(2014)

Travis & Frippの次作もCD+DVD Audioで発表されました。こちらも前作同様Theo Travisが編集してCD化した作品です。このアルバムの目玉は、King Crimsonのナンバー『Power To Believe』をモチーフにした曲が収録されています。

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・『Between The Silence』(2018)

King Crimson公式サイトDGM Live!でダウンロード販売された3つのライブを3枚組でCD化した作品です。Travis & Frippはどのアルバムを聴いてもハズレがありませんが、その決定的盤とも思える3枚組アルバムです。

David Cross & Robert Fripp

突然と発表された感じがありますが、布石はあったようです。2006年にRobert FrippSoundscapesライブに元King CrimsonViolin担当したDavid Crossが観に来ており、演奏中にKing Crimsonのナンバー『Starless』をモチーフとしたインプロビゼーションを演奏しDavid Crossが感銘を受けた様でそこから発展したユニットです。

・『Starless Star Light』(2015)

タイトルからも分かる通り、King Crimsonのナンバー『Starless』を題材にしてアルバム化した作品です。David CrossRobert Frippは、King Crimson以降は共演したことが無く、40年振りの共演となった作品でした。現行King Crimson『Starless』を頻繁に演奏しており、Robert Frippがアルバム制作に快諾したと思われます。このアルバムでは『Starless』のメインテーマが随所に散りばめられており、新旧King Crimsonファンも興味深く聴けるのではないでしょうか。David CrossKing Crimson在籍時には、段々とヘビーメタル化していくKing Crimsonに、アコースティック楽器のViolinでは太刀打ち出来ないフラストレーションから脱退につながってしまいました。現在は楽器のクオリティーも上がり、Electoric Violinで音量も他の楽器と同様に出すことが出来、エフェクターも使用することが出来ます。またDavid Crossは現King CrimsonメンバーのTony LevinPat MastelottoGuitar Craft出身のドイツ人Warr Guitar奏者Markus ReuterのユニットStick Menとの共演があり、ライブアルバム『Midori: Live In Tokyo』(2016)を発表しています。もちろん『Starless Starlight』も演奏、収録されています。このCross & Fripp、またアルバムを作って欲しいものです。

今回はRobert FrippDuoTrio作品を取り上げました。

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