Beatles Popの後継者、解散状態のXTCを振り返る

前身バンドHelium KidsからXTCへ改名してVirgin Recordsからメジャーデビューします。メンバーはAndy Partridge (Guitar, Vocal)、Colin Moulding (Bass, Vocal)、Barry Andrews (Keyboard)、Terry Chambers (Drums)の4人です。歌うのはAndy PartridgeColin MouldingのツインVocalスタイルです。当初はパンクムーブメントもあり、パンキッシュな一面もある作品を出していました。その後ニューウェーブの流れにも影響され、ニューウェーブぽい作品も作り始めます。その後大胆にBeatlesを彷彿させるポップバンドへと移行します。よくBeatles Popの継承者と言われましたが、XTC Popと言っていいほどのオリジナリティーがありました。幾度かのメンバーチェンジやメンバーの脱退があり、残ったのはAndy PartridgeColin Mouldingの2人でそれでもアルバムを作っていました。とうとうColin Mouldingも脱退してしまい、Andy Partridge1人になってしまいました。解散声明は出していませんが、もうXTCの新作は出ないだろうと言っています。そんなXTCの素晴らしい作品を紹介したいと思います。

White Music (1978)

当初アルバムのタイトルはBlack Musicと名付けられましたが、黒人が演奏していると思われるのを危惧してWhite Musicへ変えて発表します。パンキッシュなサウンドにBarry Andrewsの個性的なKeyboardが絡んだ面白い作品です。Bob Dylanの曲を1曲カバーしています。

1、Radios In Motion

2、X Wires

3、This Is Pop?

4、Do What You Do

5、Statue Of Liberty

6、All Along The Whachtower

7、Atom Age

8、Set Myself On Fire

9、I’m Bugged

10、New Town Animal

11、Spinning Top

12、Neon Shuffle

Go 2 (1978)

前作に引き続き、パンキッシュなアルバムです。やはりBarry Andrewsがいい味を出しています。曲の提供もしております。しかしこのアルバムを持ってBarry Andrewsは脱退してしまいます。その後Barry AndrewsRobert Frippがニューウェーブに接近したバンド、The League Of Gentlemenに参加します。

1、Meccanik Dancing

2、Battery Brides

3、Buzzcity Talking

4、Crowded Room

5、The Rhythm

6、Red

7、Beatown

8、Life Is Good In The Greenhouse

9、Jumping In Gomorrah

10、My Weapon

11、Super-Tuff

12、I Am The Audience

Drums And Wires (1979)

前作でBarry Andrewsが脱退してしまい、特徴のあったKeyboardサウンドが無くなってしまったのでアルバム自体もサウンドが変化していきます。Dave Gregory (Lead Guitar, Keyboard, Backing Vocal)の加入もあり、ニューウェーブ的なサウンドになっていきます。確かにBarry Andrewsの抜けた穴は大きかったのですが、これによってサウンドの変化もXTCらしさが出てきます。1曲目の『Making Plans For Nigel』XTCの大ファンと公言するLes ClaypoolPrimsでカバーしています。

1、Making Plans For Nigel

2、Helicopter

3、Day In Day Out

4、When You’re Near Me I Have Difficulty

5、Ten Feet Tall

6、Roads Girdle The Globe

7、Real By Reel

8、Millions

9、That Is the Way

10、Outside World

11、Scissor Man

12、Complicated Game

Black Sea (1980)

前作に引き続き、ニューウェーブ的なサウンドですがポップな一面も見られます。ニューウェーブ的なXTCのアルバムの中では一番好きなアルバムです。Andy Partridgeのメロディーが耳に残る作品です。やはり彼はメロディーメイカーですね。この時期のライブアルバムも出ていますが、すごい格好いいです。

1、Respectable Street

2、Generals And Majors

3、Living Through Another Cuba

4、Love At First Sight

5、Rocket From A Bottle

6、No Language In Our Lungs

7、Towers Of London

8、Paper And Iron

9、Burning With Optimism’s Flames

10、Sgt. Rock

11、Travels In Nihilon

English Settlement (1982)

XTCのアルバムの中で一番売れたアルバムです。しかしこのアルバムのツアー中に、Andy Partridgeにトラブルが起こります。ストレスからの神経衰弱で客前で演奏が出来なくなってしまい、ツアーをキャンセルしてしまいます。テレビやラジオの収録以外、一切ライブをやらないバンドになってしまいます。

1、Runaways

2、Ball And Chain

3、Senses Working Overtime

4、Jason And The Argonauts

5、No Thugs In Our House

6、Yacht Dance

7、All Of A Sudden

8、Melt The Guns

9、Leisure

10、It’s Nearly Africa

11、Knuckle Down

12、Fly On The Wall

13、Down In The Cockpit

14、English Roundabout

15、Snowman

Mummer (1983)

テレビやラジオのみで、客前でのライブをやらなくなったXTCの次のアルバムは、だんだんとポップ色が強くなっていきます。このアルバム制作中にもトラブルが起こります。ライブをやらなくなった不満から、Terry Chambersが脱退してしまいます。Terry Chambersが参加した曲も数曲収録されていますが、残りはPete PhippsというDrumerが叩いています。

1、Beating Of Hearts

2、Wonderland

3、Love On A Farmboy’s Wages

4、Great Fire

5、Deliver Us From The Elements

6、Human Alchemy

7、Ladybird

8、In Loving Memory Of A Name

9、Me And The Wind

10、Funk Pop A Roll

The Big Express (1984)

LP発売当初、機関車の車輪を模様した変形丸型ジャケットで発売されました。これには保管に困りました。サウンド的には前作に近い作りですが、前作同様売れませんでした。ライブをやらなくなってから、アルバムの売上がだんだんと落ちていきます。発売元のVirgin Recordsは、もっと売れるアルバム作りをしろとプレッシャーを与え続けます。

1、Wake Up

2、All You Pretty Girls

3、Shake You Donkey Up

4、Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her

5、This World Over

6、(The Everyday Story Of) Smalltown

7、I Bought Myself A Liarbird

8、Reign Of Blows

9、You’re the Wish You Are I Had

10、I Remember The Sun

11、Train Running Low On Soul Coal

Skylarking (1986)

プロデューサーにTodd Rundgrenを迎えて作成された作品です。しかしAndy PartridgeTodd Rundgrenの衝突が絶えず起こり、発売されるかも分からないほどらしかったです。大物プロデューサーを迎えて作られましたが、アルバムはそれほど売れませんでした。当時『Rockin’ On』という雑誌にAndy Partridgeのインタビューが掲載されました。インタビュアーの市川哲史さんが、『Andy Partridgeはプロデューサーをプロデュースするミュージシャン』と言ったら、Andy Partridgeはなるほどと神妙に頷いていた記事が書かれていたのを覚えています。

1、Summer’s Cauldron

2、Grass

3、The Meeting Place

4、That’s Really Super, Supergirl

5、Ballet For A Rainy Day

6、1000 Umbrellas

7、Season Cycle

8、Earn Enough For Us

9、Big Day

10、Another Satellite

11、Mermaid Smiled

12、The Man Who Sailed Around His Soul

13、Dying

14、Sacrificial Bonfire

15、Dear God

Oranges & Lemons (1989)

前作から3年後、見事XTC Popの極みと言えるほどの素晴らしい作品を作りました。以後の作品も素晴らしい作品ばかりです。シングルカットされた『Mayor Of Simpleton』が売れたため、このアルバムは結構売れたアルバムです。ゲストでKing Crimsonに参加する前のPat MastelottoDrumを叩いており、今までのアルバムの中でもグルーブ感的にもすごいアルバムになりました。XTCのアルバムの中で、私はこのアルバムが一番好きです。

1、Garden Of Earthly Delights

2、Mayor Of Simpleton

3、King For A Day

4、Here Comes President Kill Again

5、The Loving

6、Poor Skeleton Steps Out

7、One Of The Millions

8、Scarecrow People

9、Merely a Man

10、Cynical Days

11、Across This Antheap

12、Hold Me My Daddy

13、Pink Thing

14、Miniature Sun

15、Chalkhills And Children

Nonsuch (1992)

前作同様にXTC Popが全開のアルバムです。前出の『Rockin’ On』のインタビューは、このアルバム発売前に行われたもので、このアルバムにも触れていました。『プロデューサーがGus Dudgeonで凄くワクワクしている』Andy Partridgeは言っていました。余程Todd Rundgrenとのウマが合わなかったのでしょうね。絶えずプレッシャーを与え続けたVirgin Recordsを離れる決意をして活動休止に入ります。

1、The Ballad Of Peter Pumpkinhead

2、My Bird Performs

3、Dear Madam Barnum

4、Humble Daisy

5、The Smartest Monkeys

6、The Disappointed

7、Holly Up On Poppy

8、Crocodile

9、Rook

10、Omnibus

11、That Wave

12、Then She Appeared

13、War Dance

14、Wrapped In Grey

15、The Ugly Underneath

16、Bungalow

17、Books Are Burning

Apple Venus Volume 1 (1999)

前作から7年経って、やっとXTCの新作を準備中にDave Gregoryが脱退してしまいます。XTCはとうとうVocalを取る2人だけになってしまいました。Virgin Recordsを離れて移ったレーベルは、Idea Recordsという自主レーベルです。日本盤では、日本のミュージシャンがコメントを寄せていて、日本では結構売れました。日本にXTCを呼ぼうと日本ではかなり盛り上がっていました。XTC Pop全開のこの作品もいいアルバムです。しかし世界的に見れば、そこまで売れなかったのが残念です。その後Dave Gregoryは、プログレバンドBig Big Trainのパーマネントゲストになります。

1、River Of Orchids

2、I’d Like That

3、Easter Theatre

4、Knights In Shining Karma

5、Frivolous Tonight

6、Greenman

7、Your Dictionary

8、Fruit Nut

9、I Can’t Own Her

10、Harvest Festival

11、The Last Balloon

Wasp Star (Apple Venus Volume 2) (2000)

自主レーベル第2弾は前作の続編で、当初は『Apple Venus Volume 2』と言われていました。発売されたら、『Wasp Star (Apple Venus Volume 2)』となっていました。コンセプト的には、『Black Sea』 (1980)に近いサウンドとアナウンスされていましたが、そんなに近いとは思えません。XTC Pop全開です。このアルバムも格好いい心地よいアルバムです。しかし売れ行きが芳しくなかったのか、活動休止になってしまいます。

1、Playground

2、Stupidly Happy

3、In Another Life

4、My Brown Guitar

5、Boarded Up

6、I’m The Man Who Murdered Love

7、We’re All Light

8、Standing In For Joe

9、Wounded Horse

10、You And The Clouds Will Still Be Beautiful

11、Church Of Women

12、The Wheel And The Maypole

たった1人のXTC

Andy Partridgeは活動休止中に、カナダなどの自主出版レーベルにXTCのデモ音源を提供していました。その音源が横流しされて海賊盤がたくさん出回ってしまいます。その音源はVirgin Records所属時代のものがほとんどで、Virgin Recordsともトラブルになりました。Andy PartridgeApe Houseという自身のレーベルを立ち上げて、デモ音源をリマスターして『Fuzzy Warbles』シリーズを始めます。Andy Partridge名義で8枚のデモ音源集を発表しました。その間、とうとう残りのメンバーColin Mouldingが脱退してしまいます。Andy Partridgeは他のミュージシャンとのコラボレーションアルバムを作る様になりました。今後XTCの新作は出ないだろうとも言っています。

Colin Mouldingはミュージシャン引退状態でしたが、2017年に先にXTCを脱退したTerry Chambersと一緒に新バンド、TC&Iを結成してシングル発売とライブをやりました。アルバムは作っていません。Andy Partridgeからすれば、屈辱だったかもしれません。しかしAndy PartridgeXTCの解散宣言はしていません。Andy Partridgeの性格から、新メンバーを入れてXTCを再始動するとは思えません。それほど、Colin Mouldingが作る曲もXTC節が入っていましたし。僅かな望みとして、Colin Mouldingが戻ってくれば、XTCとしての新作が出る可能性はあります。

実質ラストアルバムとなってしまったWasp Star (Apple venus Volume 2) (2000)以降、XTCの名前も聞かなくなってしまいました。しかし色々なミュージシャンやリスナーに影響を与え続けたXTCです。何らかの形でXTCの新しいアルバムが出ることを切に願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です