Bass Playerとしての屈辱

私事ですが、Bass Playerとして屈辱を受けた忘れられない思い出があります。一番脂の乗っている時期、25歳頃の話です。

私は主にプログレッシブロックを好みますが、音楽に関しては雑食で何でも聴きました。当時3つのバンドを掛け持ちしておりました。プログレバンド、女性Vocalのロック寄りのポップバンド、完全即興バンドです。ある程度の集客もあって、それなりに有名でした。

私は音楽学校、いや、音楽教室と言った方がいいかもしれません。音楽理論と作曲を学んでいました。その音楽教室では1年に1回発表会があって、ライブハウスを借り切って生徒同士で一時的なバンドを組んで演奏を披露するスタディーコンサートというものがありました。私はあまりそういう催し物は好きではありませんでした。しかしBassの生徒の人口は少ないため、ヘルプでお願いされることが多かったのです。演奏する曲は何でもありです。ジャズもあればフュージョンもあり、歌謡曲やヘビーメタルと何でもやらされました。やった曲で覚えているのは、サザンオールスターズのいとしのエリーとか、日本のフュージョンバンドのスクエアーの曲とか、バンド名は分かりませんが、スラッシュメタルまでやらされました。私のプレイする楽器はFletless Bassです。それしか所持していませんでした。指弾きのみで、ピックやスラップは絶対にしませんでした。しかし何でもFletless Bassで対応しなければなりません。スラッシュメタルの超早い曲を、Fletless Bassの指弾きでプレイした時は、みんなに凄いと言われて天狗になっていました。その他、フュージョンの曲では、スラップもやらなければなりません。凄いスラップは出来ませんが、Fletless Bassでスラップをやった時は、一目置かれた存在になっていました。

しかし断り続けたジャンルがあります。それはJazzです。4ビートのランニングBassはマスターしていましたが、Bass Soloをとった時にどうしてもロックになってしまうからです。ある時のスタディーコンサートで、ヘルプで呼ばれたPianoの方と一緒になリました。確かゲイリームーアのハードロックの曲でした。そのPianoの方の趣向はJazzで、やはりヘルプとしての参加でした。その方と仲良くなって、Jazzを演奏した時にどうしてもBass Soloがロックになってしまうと相談しました。それならウチのJazz Bandに参加してみないかと誘われたのです。武者修行のつもりで参加することにしました。

Jazz Bandは、リーダーが全日空のパイロットのTrumpet Playerで、超エリートの方でした。普段は優しい方なのですが、音楽に対しては厳しめ。しかもエリートなため、人を見下した言い方をするのです。そのJazz Bandはいろいろな職種の方のが集まったスタンダードナンバーばかり演奏する趣味のJazz Bandでした。Trumpet、Sax、Guitar、Piano、Drumがいて、Bassが抜けたばかりでした。

ある時、メンバーみんなが仕事の都合で来れなくなり、Trumpet、Piano、Drum、私のBassだけになってしまいました。リハーサルが始まってしばらくしてBass Soloになりました。やはりロックになってしまいます。その曲が終わった瞬間、エリートのリーダーが私に言いました。

『そんなBassじゃリハーサルにならない』

怒った口調で言い、そのままスタジオを出て帰ってしまいました。残ったメンバーは気まずい雰囲気の中、もう帰ろうということになりました。いつもは必ずリハーサルが終わった後に居酒屋に行くのですが、その日はすぐに解散して帰宅しました。

次の週のリハーサルの時、メンバーが1人加わっていました。なんとBass Playerでした。リーダーは、『Jazzを演奏する上で参考になると思うので、座って見てて欲しい』と言いリハーサルがスタートしました。リハーサルの時間は3時間。何もせず座ってアマチュアJazz Bandのリハーサルを見ているだけでした。今までロックをやる上で、何でも演奏出来ると天狗になっていた私は、何とも言えない屈辱を受けました。リハーサルが終わって居酒屋に行ったのですが、私はお酒が全然飲めませんし何とも居場所が悪い感じがして、すぐに帰ってきました。

次の週リハーサルに行くと、またそのBass Playerがいました。またもや3時間、アマチュアJazz Bandの演奏を聴いているだけです。2週連続そんな仕打ちに遭いました。この時の私は腹わたが煮っくりかえるぐらいにイライラしていました。当然居酒屋にも行きませんでした。その夜、誘ってくれたPianoの方に、辞めると電話をしました。Jazz Bandに在籍して、僅か1か月で辞めました。Pianoの方も、別のBass Playerを連れてくるやり方は酷すぎると、私と一緒にそのBandを辞めました。

これが私の人生の中でも2番目屈辱的なことでした。今ではいい思い出ですが、やはりエリートの方との付き合いは難しいと感じました。

ちなみに1番の屈辱は、大親友に彼女を取られたことです。。。

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