極道映画の金字塔、仁義なき戦いの出演者が凄い

昭和、平成初期にテレビでもよく放送されていました。子供のトラウマになると暴力的なものはテレビから姿を消しました。この仁義なき戦い、昭和の名役者がたくさん出ていてすごい映画です。もう亡くなってしまった方が多いのですが、見たことが無い方なら驚くほどの豪華キャストです。仁義なき戦いの本編5作品を紹介したいと思います。おおまかなストーリーと出演者を紹介したいと思います。著作権などもあるので、画像は載せられないのですが、名言を掲載したいと思います。YouTubeに予告編がありましたので、貼っておきます。続きはDVDBlu-rayで見て欲しいです。続仁義なき戦いや、その後の仁義なき戦いはフィクションで、本編5作品が実際にあった物語を面白く映像化した作品です。

第1作のポスター

第1作、仁義なき戦い

仁義なき戦いシリーズは、実在した広島の極道、美能幸三(故人)が網走刑務所に服役中に書いた手記を元に、作家飯干晃一が書いたノンフィクション小説を映画化したものです。戦後間も無い広島を舞台にしています。広島弁ばかりで、最初は戸惑いましたが、慣れてくると広島弁が心地よくなります。広島出身の人と話をした時に、冗談で広島弁を使ったりします。

ストーリー

昭和22年、終戦間もない荒廃した焦土の広島、呉が舞台です。復員兵の広能昌三(菅原文太)は、ヤクザのいざこざに加担し、闇市で暴れていた男を射殺します。刑務所送りになり、そこで土居組若頭若杉寛(梅宮辰夫)と兄弟盃を交わします。やがて広能は、山守組組長山守義雄(金子信雄)に保釈金を出してもらい出所します。親友の山方新一(高宮敬二)坂井鉄也(松方弘樹)らとともに、山守の盃を受けてヤクザ社会に身を投じます。その頃、呉の勢力を二分していたのは山守組土居組でした。かろうじて均衡を保っていた2つの組織でしたが、市議会議員選挙を巡ってついに衝突します。以降、20年以上にわたる「広島戦争」の幕が切って落とされます。その抗争にあって、土居組の幹部だった若杉山守組に、山守組神原精一(川地民夫)土居組に寝返って、緊張感は高まっていきます。そして広能山守に雇われる形で土居組組長土居清(名和宏)を殺害します。そんな広能の逃亡を手助けしたのは、一旦は山守組を裏切ったはずの神原でしたが、広能は半信半疑のまま、これに同行します。結局は罠であったことがわかり、広能は再び刑務所に収監されてしまいます。そんな広能に面会を求めた若杉は、山守への不満をポツリと漏らします。その後、裏切り者の神原に銃口を向けて殺害した若杉でしたが、自らもまた、何者かに密告により、警官隊によって射殺されてしまいます。一方広能が不在の間の山守組は、若頭坂井の勢力が山守を凌駕するほどに巨大化します。反乱分子の新開字市(三上真一郎)有田俊雄(渡瀬恒彦)に破門を言い渡すなど、山守の意向を無視して組を切り回します。出所した広能を待った山守夫妻は、獄中の広能「全財産をくれてやる」との約束もどこへやら、わずかな見舞金を支払ったのみでした。それでいながら、坂井の暗殺を命じます。そんな山守の思惑を知った坂井は逆上して、山守に極道引退を迫りましたが、逆に山守組に殺害されてしまいます。続く。。。

名言

『最後じゃけん、言うとったるがの。狙われるモンより狙うモンの方が強いんじゃ。そがな考えしとると隙ができるぞ』(広能)

『オヤジさん、言うといたるがのぉ、あんた初めからワシらが担いどる神輿じゃないの。組がここまでなるのに誰が血ぃ流しとるの。神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみないや、おう。のお、おやっさん。ケンカはなーんぼ銭があっても勝てんのでぇ』(坂井)

見どころ

昭和初期を感じさせる闇市がいいですね。そこで働く土建屋山守組が極道山守組に変わっていく様が面白いです。菅原文太さんや松方弘樹さんの渋さ、槇原政吉役の田中邦衛さんの狡猾さが面白いです。名言の『最後じゃけん、言うとったるがの〜』は、映画の『BE-BOP HIGHSCOOL』仲村トオルさんが使いました。原作者のきうちかずひろさんも仁義シリーズに影響を受けていた様です。

第二作、仁義なき戦い 広島死闘編

番外編とも言われている広島死闘編ですが、完全に主役は山中正治演ずる北大路欣也さんです。もちろん菅原文太さんが主役で出演もしていますが、北大路欣也さんの存在感がすごくて菅原文太さんを食ってしまっています。この作品が一番好きです。

ストーリー

昭和25年、時代は朝鮮動乱期で日本の軍需産業は公共に湧いていました。工員だった山中正治(北大路欣也)は、イカサマ賭博のトラブルから刑務所に服役し、広能昌三(菅原文太)と出会います。出所した山中は、めし屋で無銭飲食をはたらき、居合わせた大友連合大友長次(加藤嘉)の実子、大友勝利(千葉真一)から壮絶なリンチを受けます。九死の所を村岡組組長村岡常夫 (名和宏)の姪の上原靖子(梶芽衣子)に助けられます。これが縁で山中村岡組若衆となり、大友への復讐を誓います。一方、大友勝利「広島にヤクザは2つもいらん」を旗印に、村岡組の壊滅を計画します。村岡の縄張りである競輪場に爆弾を仕掛け、これに激怒した親父の大友長次「大友連合会はあくまでも神農道」であることを主張します。博徒の村岡組と争うべきではないと勝利に説きますが、聞く耳を持たないため、ついに破門を言い渡します。怯むことのない勝利は、大友組の後見人として、時森勘市(遠藤辰雄)を立てて応じようとしません。その頃、山中は戦争未亡人である靖子と許されない恋に落ちます。村岡組幹部松永弘(成田三樹夫)のはからいにより、しばらく組長の前から身を隠しますが、旅先でヒットマンとして頭角を現します。そして村岡から、時森の襲撃命令が下されました。狙われていることを知った時森は、山守組組長山守義雄(金子信雄)の元に逃げ込みます。山守時森の保護を、盃を返したはずの広能昌三(菅原文太)に依頼します。一旦は断った広能でしたが、食卓にに犬の肉が並ぶ広能組の窮状を憂い、金と引き換えにこれを受けます。やがて大友組村岡組は全面戦争の様相を呈し、凶器と化した勝利山中が激しくぶつかり合います。こうした構想を警察も見過ごさず、逮捕されて刑務所行きになった山中でしたが、靖子に会いたくて脱獄を敢行します。続く。。。

名言

『殺さんかい、おお。おどれ等の顔はよう覚えちょるけん。ワシを生かしといたら、おどれ等あとで一匹ずつブチ頃しちゃるんどぉ』(山中)

『センズリかいて仁義で首くくっとれいうんかい。わしらうまいもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないのぉ』(勝利)

『言うなりゃあれらはオメコの汁で飯食うとるんで。ワシが欲しいのは広島よ。広島にヤクザは2つもいりゃせんのじゃぁ』(勝利)

見どころ

とにかく大友勝利演じる千葉真一さんが怖いです。極悪非道で笑いながら人を殺していく演技に恐怖を覚えました。それとやはり北大路欣也さんの存在感はすごいですね。広能組若衆島田幸一役で前田吟さんが出演しています。これには驚きました。時守の暗殺シーンは、前田さんの提案だったそうです。女性では、梶芽衣子さんが綺麗ですよね。これも見どころです。

第3作、仁義なき戦い 代理戦争

仁義シリーズ3作目はオールスターキャストになりました。日活に所属していた小林旭さんが東映映画に初めて出演しました。日活がポルノ路線に切り替えため、行き場を無くしていた小林さんの演技が味があっていいです。その他、前作にも出演していた成田三樹夫さん、山城新伍さん、1作目から復帰した梅宮辰夫さん、渡瀬恒彦さん、そして重鎮の加藤武さんが出演しています。加藤さんの弱腰な打本役はハマり役です。

ストーリー

昭和35年。広島最大の組織である村岡組の実力者である杉原文雄(鈴木康弘)が、白昼堂々、広能昌三(菅原文太)打本会会長打本昇(加藤武)と一緒にいながらの路上で、見知らぬボンクラに射殺されます。博打のトラブルによる暗殺でしたが、村岡組組長村岡常夫(名和宏)が病気療養中であったため、跡目候補筆頭の杉原の死は組内部に波乱を予測させます。杉原の兄弟分だった打本は、広能村岡組幹部武田明(小林旭)、同じく幹部松永弘(成田三樹夫)、そして出所してきた村岡組きっての武闘派、江田省一(山城新伍)と兄弟分の盃を交わします。ここに山守組組長山守義雄(金子信雄)の思惑もからみ、事態は次第に緊迫の様相を呈します。何かにつけて無能呼ばわりする山守に対し、打本の悔しさは激しく募っていきます。そして広能の放免祝いに行われたプロレス興行に、広能と親しい西日本最大の組織である明石組幹部岩井信一(梅宮辰夫)が訪れると、打本の脳裏に思惑が浮かびます。打本広能と親しい岩井を通して、明石組組長明石辰男(丹波哲郎)の盃を受けます。しかしこのことは村岡組組長の心証を悪くし、打本が狙っていた跡目は、まんまと山守が継承することになります。山守は名実ともに、広島最大の勢力を誇る大親分に君臨します。我が世の春を謳歌する山守や、山守組組員に対しておもしろくないのは打本会若衆達でした。明石組の傘下団体であることを盾に、広島の的を闊歩しては衝突が起こりました。山守武田の提案により、明石組と反目する神戸の神和会と兄弟盃を交わします。これにより広島の町は、明石組の系列である打本会広能組神和会の系列となった山守組で、まさしく代理戦争と呼ぶべき苛烈な抗争が繰り広げられることになります。続く。。。

名言

『おどりゃ、こんタコのクソ、頭のぼりやがってぇ』(広能)

『戦いが始まる時、まず失われるのは若者の命である。そしてその死はついに報われたためしがない』(ナレーション)

見どころ

梅宮辰夫さんが1作目から復帰しますが、風貌がガラッと変わっています。眉毛を剃り落としての出演です。丹波哲郎さんも出演していますが、これは何かの映画の使い回しシーンだと思われます。セリフは一切無しです。そして存在感がある武田明役の小林旭さんがすごく渋い演技を見せてくれます。

第4作、仁義なき戦い 頂上作戦

当初はこの頂上作戦が最終作になる予定でしたが、公開後大盛況でもう1作追加することが決定になりました。最後の方のシーンを見ても、最終話っぽい感じになっています。広島ヤクザの最大のヤマ場となっています。

ストーリー

昭和38年、東京オリンピックを翌年に控え、池田内閣が発した高度経済成長政策は、いよいよピークを迎えようとしていました。人々は暮らしが豊かになってくると、秩序を破壊するヤクザ組織に非難の目を向けるようになりました。この動きに呼応した警察もまた、頂上作戦の名のもと、ヤクザの壊滅運動をを開始します。かつて持ちつ持たれつだった関係性は、時代の流れとともに消え去っていました。その頃、広島では西日本最大の組織である明石組系列である打本会広能組、一方で神和会系列の山守組早川組とが激烈な抗争を展開していました。頂上作戦なにするものぞと、広島には応援のヤクザが続々と駆けつけます。広能組組長広能昌三(菅原文太)打本会会長打本昇(加藤武)は、中立的な立場だった義西会会長岡島友次(小池朝雄)を、明石組幹部岩井信一(梅宮辰夫)の説得もあり、抱き込むことに成功します。広島の呉では、広能組山守義雄(金子信雄)の腹心である槇原政吉(田中邦衛)率いる槇原組とが、荒ぶる若者達によって小競り合いを重ねていました。そして広能組組員河西清(八名信夫)が、槇原組組員によって射殺されます。この事態に広能は、岩井らと共謀して山守襲撃に立ち上がります。ただし、動きを察知した警察によって広能は逮捕され、あえなく計画は流れてしまいます。さらに応援に頼んだ岡島も、山守のボディーガードの吉井信介(志賀勝)によって射殺されてしまいます。打本会広能組の連合軍は、一気に劣勢に立たされてしまいます。それでも、打本の弱腰に業を煮やした打本会若衆たち(小林稔侍、高月忠、岡部正純)は、義西会若頭藤田正一(松方弘樹)とともに、報復を開始します。広島の市街地は銃声が飛び交う戦場と化し、市民の批判を浴びた警察は、ヤクザ幹部の一斉検挙を敢行します。こうして広島抗争は、何ら実りのない終焉を迎えたかに思われましたが。続く。。。

名言

『わしらタクシー屋のおっちゃんに用はないさかい、これから1人で歩いたらよろしいがな。でもええでっか。前を向いても崖、後ろ向いても崖や。あんじょう根性を入れて歩くこっちゃ』(岩井)

『枯れ木も山のにぎわいじゃがの、枯れ木に山が喰い潰されるわい』(武田)

『広島極道はイモかもしれんが旅の風下に立ったことはいっぺんもないんでぇ』(武田)

『オンデレラも吐いた唾飲まんとけよぉ』(岩井)

『広島の喧嘩言うたらトルかトラれるかの2つしかありゃせんのでぇ』(広能)

見どころ

この作品の見どころは、各組の若衆です。広能組竹本繁役の黒沢年男さんや打本会谷口寛役の小林稔侍さん、早川組仲本博役の夏八木勲さんの無茶な暴走シーンがすごいです。川田組野崎弘役の小倉一郎さんは、見た目通りの役所でなかなかいい味があります。

第5作、仁義なき戦い 完結編

前作公開後に制作が決まった最終作です。ですので、フィクション部分も含まれていると思いますが、仁義シリーズの迫力はちゃんと表現されています。この作品でまた北大路欣也さんが松村保役で復帰しますが、この作品でも主役級の演技を見せています。そして鍛え抜かれた体がすごいです。腹筋がバキバキに割れています。また、日活所属だった宍戸錠さんも東映映画に出演し二代目大友勝利役を演じていますが、これがまた怖いです。

ストーリー

昭和41年、警察の頂上作戦により、幹部を一斉検挙された広島のヤクザ組織は、生き残りを賭けて政治結社天政会を結成します。初代会長には山守組組長山守義雄(金子信雄)が就任します。これにより広島のヤクザ社会は一見、平和になったかのように見えましたが、警察や世間の目を一時的にかわしただけに過ぎず、水面下では新たな抗争の火種がくすぶっていました。そして天政会の二代目会長には武田明(小林旭)が就任します。その武田会長代理として、居並ぶ重鎮たちを飛び越えて若手の松村保(北大路欣也)を推薦します。江田省一(山城新伍)らも当初は松村の若さに異論を唱えましたが、武田と呉の長老の大久保憲一(内田朝雄)との絵図により、その提案は決定事項となっていました。これに対して怒りが収まらない早川組組長早川英男(織本順吉)大友組組長大友勝利(宍戸錠)は、反武田派として思惑が一致して手を結びます。広能組組長広能昌三(菅原文太)は、網走刑務所の出所を間近に控えて、これまでの抗争を獄中手記として綴っていました。獄中を見舞った広能の兄弟分である市岡組組長市岡輝吉(松方弘樹)は、武闘派らしく天政会の混乱に乗じてこれを切り崩そうと画策します。その手始めに天政会幹部杉田佐吉(鈴木康弘)を射殺します。さらに市岡は、不倶戴天の敵だった大友早川とも手を結び、反天政会勢力を結成します。広能の留守を預かる広能組幹部家厚司(伊吹吾郎)の制止も聞かず、広能組若者たちもまた、出所したばかりの槇原組組長槇原政吉(田中邦衛)を襲撃するという暴挙に出ます。そんな騒然とした時期に広能は出所してきます。これを待ち受けていた武田は、広能に極道引退を迫ります。市岡を殺られて怒りが収まらない広能は、これを拒否します。その頃、松村が乗った車を早川組組員と旅人の藤村勇吉(曽根晴美)が襲撃します。松村は瀕死の重傷を負い、江田は死亡します。続く。。。

名言

『なんぼ政治結社じゃ言うてもヤクザはヤクザですけんのぉ』(松村)

『気ぃつけて物事言いや。わしゃ、ワレの命もらうのも、虫歯抜くのも同じことなんでぇ』(大友)

『おんどれ、盃ちゅうもんを軽く見とりゃせんか。牛のクソにも段々があるんで。おどれとワシは五寸かい』(大友)

『お前ら、構わんけ、そこらの店ササラモサラにしちゃれい』(市岡)

見どころ

やはり市岡輝吉役の松方弘樹さんと二代目大友勝利役の宍戸錠さんの酒を飲むシーンです。名言のオンパレードで、二人とも怖いです。そして何と言っても北大路欣也さんがすごいです。序盤で殺害される杉田佐吉の娘、杉田かおる役の野川由美子さんもまた綺麗です。

菅原文太を支えた役者たち

菅原文太さんが主役ですが、東映映画の階級の中では、上には鶴田浩二さんや高倉健さんがおり、まだまだくすぶっている中堅という風に見られていましたが、この作品で開花しました。

菅原さんを支えた役者さんですが、まず大友勝利役の千葉真一さん。千葉さんはデレビで絶大の支持を得たヒーローキャラクターとは真逆の暴力性を演じました。初回登場シーンでは、下唇を裏返してノリで固定して登場したそうです。山中が無銭飲食をするシーンですね。広島死闘編で最初の配役は山中役で、全てのセリフを覚えていたそうです。しかし撮影に入ると大友役へ変更。台本を見ながらの撮影になったそうです。台本に「オメコ」という言葉があって戸惑ったそうですが、深作欣二監督が構わんから言ってくれと言われたところで大友勝利役のスイッチが入ったそうです。今までのジャパンアクションクラブの千葉真一を捨てたそうです。

次に山守義雄役の金子信雄さん。一度見たら忘れられない小心者でズル賢い親分を見事演じ切りました。クランクイン直前に高熱を出し、危うく役を降板させられかけたのは有名な話です。大ベテラン役者の金子さんは命と引き換えてもの覚悟で山守役を演じました。また、アドリブで鼻の頭を赤くしたり、パフで頬を叩いたるする怪演技も時折出てきて面白いです。全5作品、山守役を演じ切りました。

次に伊吹吾郎さんですが、1作目では上田透役、最終作では氏家厚司で出演しています。東宝出身でありながら、東映の作品に数多く出演しています。水戸黄門格さん役で有名ですが、昔はヤクザ映画でも活躍されていたんですね。すごい凄みの演技です。1作目の賭場のシーンは名言がたくさん出てきます。若杉に片腕を切断されてしまいますが、スーツの後ろに腕を隠しているのが分かるのは愛嬌ですね。

次に前田吟さんですが、1作のみの出演でしたが存在感のある演技でした。前田さんは男はつらいよシリーズで当たり役をずっと演じていましたが、第1作目を見て感銘を受けて出演したいと思っていたところにオファーが来たそうです。国民的映画、男はつらいよとは真逆のヤクザ映画出演でした。仁義シリーズファンで知られるダウンタウン浜田雅功さんに、さんも出演しているんですかと驚かれたいました。

次に北大路欣也さんです。北大路さんも第1作目を見て衝撃を受け、続編を作ることを知るといてもたってもいられずプロデューサーや監督に出演を直訴したそうです。出演が実現して広島死闘編大友役をもらうと、山中役の方が合っているから検討して欲しいと言い、異例の配役交代となりました。結果的に千葉真一さんにも北大路欣也さんにもいい役柄になったと思います。山中役では、撮影の合間に逆立ちをしや腕立て伏せを繰り返し、充血した目を作っていたそうです。完結編での松村役では、血走った目の迫力に圧倒されます。あの目は、倒れる寸前まで睡眠時間を減らし、あの目の迫力をキープしていたそうです。すごい役者さんですね。

次に渡瀬恒彦さん。1作目では武闘派幹部役でしたが、3作目では組の若衆役で出演しました。両方の作品の登場時間が短いのですが、すごいインパクトを与える演技でした。

次に成田三樹夫さん。若くして亡くなってしまった昭和の悪役です。カミソリの様な演技で、その凄みは圧倒されます。松永弘役として2作目に登場して、3作目では、中立していた松永武田(小林旭)『中立は認めん。こっちの立場になれんならカタギになれ。以後ここに出入りせんといてくれ』と言われて松永はこの言葉に一礼をして出て行きます。それ以後、このシリーズには出演しませんでした。すごい怖い役作りですが、極道の妻たちでも2作品出演しています。かと思えば、松田優作さんテレビシリーズの探偵物語では、服部刑事役で『工藤ちゃん、工藤ちゃん』とコミカルな役も演じています。

次に松方弘樹さん。とにかく菅原文太さんとのツーショットになるのが嫌だったそうです。1作目で松方さんも菅原さんも組長役でしたが、実際菅原さんの方が年が10歳上で松方さんの顔にシワの1つも無い子供じみた顔が嫌だったそうです。しかし1作目の坂井役では、名言の連発でした。これが仁義シリーズの人気に火がついたのでは無いかと思います。4作目では病弱な藤田役、最終作では武闘派市岡役を演じました。市岡のギラついた目、凄すぎます。

次に梅宮辰夫さん1作目の若杉役では、片腕切断、死をすすり合う兄弟盃、偽装割腹自殺とバイオレンスを与える役所でしたが、3作目以降の岩井役では眉毛を剃り落としての出演で顔が怖いです。実際娘の梅宮アンナさんが当時は赤ん坊で、撮影から家に戻ると顔を見て泣き出したそうです。岩井は神戸のヤクザですが、広島弁を話すことがあって、この広島弁の発音に苦労したそうです。

次に小林旭さん。日活がポルノを主軸にするようになって、行き場をなくしていた小林さんに仁義出演のオファーがあったそうです。3作目移行全ての作品に登場し、物静かな話し方の中に凄みがあって、本当に渋い演技をしていました。

次に宍戸錠さん。宍戸さんも日活出身でしたが、ポルノ路線になった日活を捨てて仁義に参戦します。しかし日活のプライドは忘れなかったそうです。二代目大友勝利役を演じますが、この役がハマり役でした。最後の逮捕されるシーンは拳銃2丁を腹巻にさして、タクシーを拾うために手を上げているところを大勢の警官に逮捕されます。すごい役ですね。市岡との酒を飲むシーンは名言の宝庫だと思います。

次に山城新伍さん。広島死闘編から4作出演しています。広島死闘編でやたらと眼帯姿が目に付きますが、これは山城さんのアイデアでした。山城さんの実家が京都の花街で町医者をやっていて、終戦後は栄養状態も衛生面も悪くて目がただれた患者が次から次へとやってくるのを見て、思いついたそうです。配役は同じでしたが、2作目は江田省三で、それ以後は江田省一となっています。

次に田中邦衛さん。1作目で殴り込みを決めるシーンで、槇原役の田中さんが嗚咽しながら放ったセリフが、自分の女房の腹の中に赤ちゃんがいてそのことを思うと可哀想と泣きじゃくります。姑息な手段や狡猾な性格の槇原でしたが、最後の完結編では演技が変わっています。大友にこっちの立場につけと説得された時のセリフが『大友さん、呉の槇原政吉や、ちいとは知られた男でぇ』と貫禄のある親分を演じています。

演技を盛り上げたピラニア軍団も忘れてはいけません。深作欣二監督は、『電柱1本でも犬1匹まで画面に映ったら全て主役』が口癖でした。序列主義を廃した演出に、くすぶっていた無名の若手俳優が跳ね上がりました。その代表が、やがて日本の映画界に異彩を放つピラニア軍団の面々でした。ピラニア軍団は、岩尾正隆さん、片桐竜次さん、川谷拓三さん、小林稔侍さん、志賀勝さん、下茂山高也さん、白井滋郎さん、高月忠さん、司裕介さん、寺内文夫さん、成瀬正孝さん、根岸一正さん、野口貴史さん、広瀬義宣さん、松本泰郎さん、室田日出男さんです。

仁義なき戦いの後に制作された別の仁義なき戦い

『仁義なき戦い』の後に『新・仁義なき戦い』(1974年公開)、『新・仁義なき戦い 組長の首』(1975年公開)『新・仁義なき戦い 組長最後の日』(1976年公開)の3作品作られます。これも菅原文太さんが出演していますが、1作ずつ役名が違っています。監督も深作欣二監督です。

『その後の仁義なき戦い』(1979年公開)は、深作欣二監督ではありません。タイトルにその後と入っていますが、前作と設定上のつながりは無く、単体の作品です。根津甚八さんや宇崎竜童さんが出演しています。

時間をだいぶ空けて、『新・仁義なき戦い。』(2000年公開)は全くの別作品です。出演は豊川悦司さん、布袋寅泰さん、佐藤浩一さんなどです。

『新 仁義なき戦い/謀殺』(2003年公開)も別作品です。出演は高橋克典さん、渡辺謙さん、小林稔侍さんなどです。

任侠映画は作られなくなった

仁義なき戦いシリーズ、こんな暴力映画が作られていましたが、現在では全く作られていません。北野武監督のアウトレイジシリーズくらいですね。極道の妻たちシリーズも10作で完結しました。やはり映画業界も自主規制しているのでしょうね。暴力映画が作られて、大ヒットして、またその作品がテレビで放送されるのは当たり前です。仁義なき戦いシリーズを見たことが無い方は、こんな映画がテレビで流されていたのを驚かれるのでは無いでしょうか。

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