不遇のベーシスト、Brand XのPercy Jonesまとめ

こんなに個性的で独創的なベーシストは他に見当たりません。しかしPercy Jonesの運のなさ、人脈のなさが致命的で、Brand X解散後はシーケンサーを相手にライブをしていました。セッションでは色々なところに呼ばれるのですが、パーマネントのバンドがイマイチ有名にならないのが痛いです。そんなPercy Jonesをまとめてみました。

Liverpool Scene

デビューはLiverpool Sceneというバンドでした。この頃はまだ、Percy Jonesらしさがありません。普通のFletless Bass Playerでした。Liverpool Sceneは4枚のアルバムを作成しました。

・The Incredible New Liverpool Scene (1967)

・The Amazing Adventures Of (1968)

・Bread On The Night (1969)

・St. Adrian & Co Goes Broadway And 3rd (1970)

後年になってやっと2nd+3rd2in1CDと、2nd単体でCD化されましたが入手困難となっております。

Brand X

Liverpool Scene解散後、Percy Jonesは色々なセッションをします。その中で知り合ったJohn Goodsall (Guitar)Miles DavisBitches Brew (1969)みたいな音楽を目指すことで意気投合してバンド結成を目指します。Robin Lumley (Keyboard)の参加が決まり、Drumが見つからない状態でした。当初はBill Brufordが参加予定でしたが、King Crimsonに参加予定のために見送りになります。その頃、GenesisからPeter Gabriel (Vocal)が脱退します。歌を唄う人がいなくなったGenesisDrumPhil CollinsVocalDrumを兼任することになります。唄うことでDrumのテクニックを維持するバンドを探していたPhil CollinsBrand Xに参加が決まります。バンド名は当時使っていたスタジオのミキサーに『Brand X』と書いてあったものからとったとのことです。Phil Colinsの紹介で、Genesisが契約していたレコード会社、Charismaレーベルとも契約が出来てデビューが決まりました。Jack Lancaster (Sax)をゲストに迎えて1st アルバムを制作します。

・Unorthodox Behavior (1976)

2ndアルバム作成に取り掛かります。Morris Pert (Percussion)が正式に参加します。2ndは前作を踏襲した作りになっていますが、Phil Collinsの歌が入った曲を1曲目に持ってきています。

・Moroccan Roll (1977)

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ライブ盤も発売します。GenesisBrand Xの二足の草鞋を履くPhil Colinsは、多忙の時は参加せずに別のDrumが参加する様になります。ライブ盤には、Kenwood Dennard (Drum)のトラックとPhil Colinsのトラックが混在しています。

・Live Stock (1977)

ここでトラブルが発生します。Brand Xを歌物バンドの方向に持っていきたいPhil ColinsとインストのJazz Rockを目指すPercy Jonesと意見が分かれます。Robin LumleyPhil Colinsと同調、John Goodsallは中立的な立場をとります。次のアルバムは完全にインストのJazz Rockアルバムですが、Phil ColinsRobin Lumleyは参加しませんでした。代わりに参加したのがPeter Robinson (Keyborad)Chuck Burgi (Drum)でした。

・Masques (1978)

ついにBrand Xはバンド内で分割されてしまいます。歌物を目指すBrand X、インストのJazz Rockを目指すBrand Xが混在する様になります。Phil Colins側はRobin Lumley (Keyborad)John Goodsall (Guitar)John Giblin (Bass)Percy Jones側はPerte Robinson (Keyborad)John Goodall (Guitar)Mike Clark (Drum)Morris Pert (Percussion)というメンバーで、曲ごとにPhil Colins側の演奏、Percy Jones側の演奏に分かれて録音しています。どっちつかずのJohn Goodsallは両方に参加しています。面白いのがChil Colins側のBassistJohn GoblinPercy Jonesが同じメーカーのBassWalFretless Bassを使っていて、1曲ベースのデュオ曲『Wal To Wal』が収録されていることです。やはりPercy Jonesのフレーズの方が一枚上手ですね。しかしこの混在するBrand Xですが、ライブになるとPhil Colins (Drum)Robin Lumley (Keyborad)John Goodall (Guitar)Percy Jones (Bass)Morris Pert (Percussion)といつものメンバーに戻り、Phil Colins側の曲もPercy Jones側の曲も演奏していました。ブートレグ盤では、この時期のものが一番多く発売されていました。

・Product (1979)

前作と同様な混在するBrand Xで次のアルバムを作りましたが、曲の配分がPercy Jones側の曲が多くなります。Phil Colinsはもうどうでもよくなったのか、歌はJohn Goodsallに歌わせる様になります。もうバンド内では空中分解状態でした。Charismaレーベルからも契約解除されてしまいます。実質、Brand Xは最後のアルバムになりました。

・Do They Herat? (1980)

突然Brand Xのテイクアウト集が発売されます。これはメンバーに許可無くRobin Lumleyが勝手に作ったアルバムでした。もちろんCharismaレーベルからの発売ではありません。

・Is There Anything About?

Percy Jones Solo

Brand Xが空中分解してからPercy Jonesは、主にセッションミュージシャンとして活動をしていました。Brand X在籍中はBrian EnoSoft MachineStieve HackettNovaなどとのセッションがありました。Brand X解体後はMicheal Zentner土屋昌巳一風堂等。その後Percy JonesSolo Album作成に取り掛かります。

初めてのSoloは、すべてシーケンサーにプログラミングして、それに合わせてBassを弾くBassパフォーマンス的なアルバムでした。

・Cape Cadasterophe (1990)

Solo2ndは、やっと生演奏での収録でした。しかしそのメンバーではバンド化されることはなくて、Percy Jones Ensemble名義でした。

・Propeller Music (1990)

Brand Xの再結成と、新バンドTunnelsの結成

Percy Jonesにレコード会社からJohn Goodsallと一緒にアルバムを作ることを打診されます。Percy Jonesは次のバンドTunnelsでリハーサル中でしたが、John Goodsallと一緒にアルバムを作ることに承諾します。一層のこと、Brand Xの再結成にしようとJohn Godsallと意見が一致します。Percy Jonesと活動を共にしていたTunnelsDrum奏者、Frank Katzが参加してトリオ編成になります。再結成第一弾は、ジャケットが往年のBrand Xのジャケットに似た、女性の足の脚線美と1stのジャケットに採用されたブラインドを表現したジャケットになりました。

・X-Communication (1992)

Brand Xアルバムとしての作成後、Percy JonesTunnelsの活動を活発化させます。メンバーはPercy Jonesのほか、Marc Wagnon (Midi Vibes)Van Manakas (Guitar)、再結成Brand Xにも参加したFrank Katz (Drum)です。

・Percy Jones With Tunnels (1993)

再結成Brand Xを否定するかのごとく、ブートレグ盤だった昔のライブ音源がBrand Xの正規ライブ盤として再発されます。

・Live At The Roxy L.A. (1996)

再結成Brand Xも次のアルバム制作に取り掛かります。新メンバーとしてTunnelsMarc Wagnon (Midi Vibes)が参加しました。John Goodsall (Guitar)以外がTunnelsのメンバーになりました。

・Manifest Destiny (1997)

Manifest Destinyを提げて、Brand X初の来日公演もありました。しかしMarc Wagnon (Midi Vibes)Frank Katz (Drum)が日本行きを拒否します。急遽呼ばれたのがKris Sjobring (Keyborad)Pierre Moerlen (Drum)でした。東京で2公演あり、両方とも見に行きましたが酷い演奏でした。John Goodall (Guitar)が酔っ払っていて、指が全く動いていない状態でした。このツアー後、再結成Brand Xは解体しました。

突然とBrand X結成前の音源が発売されました。日本盤でも発売になり、話題になりました。未発表曲やアレンジ違いなど、Brand Xファンにはたまらないアイテムになりました。面白いのが、1stの収録曲『Born Ugly』がこのアルバムでは『Dead Pretty』になっています。直訳すると『醜く生まれる』『可愛く死ぬ』で対になっていて、非常に遊び心があるアルバムです。

・Missing Period (1997)

King CrimsonのトリビュートアルバムにBrand Xとして参加します。袂を分かれたPercy JonesJohn Goodall『Brand X East』『Brand X West』として別々に録音に挑みます

・Schizoid Dimension (1998)

Tunnelsは次のアルバムを作り始めます。メンバーは変わりませんでした。1stPercy JonesSoloを発売したOzonレーベルから発売されましたが、Ozonレーベルが倒産したためMark Wagnonが主宰するBucky Ball Musicから発売されます。このレーベル移動が今後のTunnelsの動向を大きく左右します。

・Painted Rock (1999)

Brand Xのライブ盤がMarc Wagnon編集によりBucky Ball Musicから発売されます。昔のBrand Xのライブ音源、再結成Brand Xのライブ音源が収録されています。

・Timeline (2000)

Tunnelsは次のアルバム作成します。Van Manakas (Guitar)が脱退してGuitarが不在のため、ゲストとしてJohn Goodsall (Guitar)Mark Feldman (Violin)を迎えて作成されました。

・Progressively (2002)

後にMark Wagnonの奥方になるBucky Ball Music所属のミュージシャン、Sarah Pillow (Vocal)SoloアルバムにTunnels一行はゲスト参加します。Percy Jonesは参加したかったのか分かりませんが、Mark Wagnonの意向と思われます。日本盤も発売されましたが、クレジットが『Brand X With Sarah Pillow』でした。2枚組のアルバムですが、1枚目は彼女のバックボーンであるクラシカルな歌なため、Tunnels一行は2枚目に全面参加しています。

・Remixes (2003)

Brand Xの最後っ屁みたいなアルバムが出ました。3枚組で1枚目は『Manifest Destiny』、2枚目は『X-Communication』、3枚目はPhil Colins在籍時のライブ音源です。Marc Wagnon編集でBucky Ball Musicから発売されました。

・Trilogy (2003)

引き続き、Sarah PillowのアルバムにもTunnels一行は全面参加してしています。もう完全にWark Wognon主導になってきてしまっています。

・Nuove Musiche (2004)

TunnelsMark Wagnonが編集したライブ盤を発売します。Percy Jonesのほか、Mark Wagnon (Midi Vibes)Frank Katz (Drum)のパーマネントメンバー、ゲストとして前作に参加したJohn Goodsall (Guitar)Mark Feldman (Violin)のほかにも前任のVan Manakas (Guitar)Julien Feltin (Guitar)Lancer Carter (Drum)の参加したトラックも収録されています。Tunnelsの主導者がPercy JonesからMark Wagnonへ変わってきてTunnelsの崩壊が始まります。

・Live: The Art Of Living Dangerously (2004)

TunnelsからFrank katz (Drum)が脱退します。次のアルバムではJohn O’Reylly (Drum)が参加します。ゲストとしてJohn Goodsall (Guitar)Mark Feldman (Violin)Van Manakas (Guitar)Julien Feltin (Guitar)Lancer Carter (Drum)が参加して作成されましたが、実質Tunnelsのラストアルバムとなりました。

・Natural Selection (2006)

Brand X 20周年記念盤が発売されます。2枚組で主にBrand Xの音源や、Percy JonesJohn Goodsallの参加ユニットが網羅されています。ファンには興味深く聴ける音源集です。

・The X Files (2014)

Bangtower

Percy Jonesはセッションを活発化させる様になります。新バンドBangtowerでは正式メンバー扱いとなっていて、現在2枚のアルバムを発表しています。メンバーはPercy JonesのほかNeil Citron (Guitar)Walter Graces (Drum)です。

・Chasting Shadows (2010)

・With “N” With Out (2016)

Percy Jones, Scott McGill, Ritchie DeCarlo

Scott McGill (Guitar)のユニット、FreakzoidPercy Jonesはゲスト参加します。これが縁で、Scott McGillFreakzoidにも参加するRitchie DeCarlo (Drum)とユニットを組むことになります。そのまま連名で『Percy Jones, Scott McGill, Ritchie DeCarlo』という名のユニットになります。現状3枚のアルバムを発表しています。しかし自主レーベルからの発売のため、入手困難です。

・Percy Jones, Scott McGill, Ritchie DeCarlo (2010)

・ Debut (2014)

・Third Transmission (2015)

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MJ12

BangtowerPercy Jones, Scott McGill, Ritchie DeCarloを不定期に活動する傍ら、Percy Jonesの現在のメインバンドはMJ12です。メンバーはPercy Jonesのほか、Stephen Moses (Drum)Will Bernard (Guitar)Chris Bacas (Sax)です。ニューヨークの小さなライブ会場でライブを行っています。現在1枚のアルバムを発表しています。アルバム発表時GuitarDavid Phelpsでした。

・MJ12 (2016)

Brand X 結成30週年記念再結成

Brand Xが結成30周年を記念して、再結成されました。ライブは不定期に行われています。発起人はPercy JonesJohn Goodsallです。メンバーは『Livestock』 (1977)にも参加したKenwood Dennerd (Drum)、あとは新メンバーでChris Clark (Keyboard)Scott Weinberger (Percussion)で往年の曲をプレイしています。その後DrumKenny Grohowskiに変わり、ライブ盤2枚、Blu-ray+CDのライブ盤1セットを発売しています。しかし自主レーベルからの発売ですので、もう既に入手困難となっています。

・But Wait…There’s more! / Live 2017 (2017)

・Locked & Loaded (2018)

・The Rites Of Spring Festival 2018 (2018)

Percy Jonesのプレイスタイル

Percy Jonesは5弦Fletless Bassを使用しています。高い弦を張らず低い弦を張っています。基本的上昇フレーズは2フィンガーで、下降フレーズは3フィンガーでプレイしています。Percy JonesBass Lineは、フレーズを作ってそこから曲にするもの、フレーズを蓄積してSoloパートで使用するものが非常に多いです。突拍子も無いフレーズが多く、聴く人を驚かせるフレージングが多いのが特徴です。それと、Bassでいかに変な音が出せるかを研究しています。こんな有能なBass Player、もっと有名なバンドで活動すればもっと声明を得たのでしょうが、人脈が無かったこと、活動の場をイギリスからアメリカに移したことなど、様々な要因が重なって知る人ぞ知るBass Playerになってしまいました。もっと多くの方に知って頂きたいBassistです。

2 件のコメント

  • BrandXファンですが、最近Percy Jonesはどうしているのだろうと時々思っておりました。今日突然思い立ち、非常に参考になりました。ありがとうございます。

    • コメントありがとうございます。
      Tunnelsの頃、日本の雑誌ベースマガジンがPercy Jonesにインタビューに行きました。
      Percy本人は何故日本の雑誌が?と驚いていました。
      日本には結構Percy Jonesファンがいますよね。
      Brand X時代のあの気合の入ったジャズロックには度肝を抜かれました。
      日本の一風堂というバンドPercyが参加したことがあります。
      その頃のツアーメンバーが凄いです。
      一風堂のメンバー土屋昌己さん(Gitar, Vocal)、見岳彰さん(Keyboard, Violin)に加えてPercy Jones (Bass)、元JapanのSteve Jansen (Drums)です。
      ライブアルバム『Live And Zen』(1984発表)は必聴物です。

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