クラッシック初心者おすすめのEL&P

ロックをやっている人で、色々なジャンルの音楽を聴こうと思っている人が多いと思います。私はバンドをやり始めた時に、コンビを組んだDrum『お前は音楽を聴かな過ぎると言われました。確かにロックのみしか聴かず、偏っていました。ジャンルはボーダーレスとなっているのに、ロックしか出来ないのは音楽家として残念なことです。ロックはジャズに影響を受けました。12小節のブルースロックは、12小節のジャズのコード進行を簡略化したものです。ロックミュージシャンはジャズのコード進行を導入して複雑化しました。またジャズもロックに影響を受け、ジャズロックやフュージョンが出来ました。あのMiles Davisも、エレクトリック楽器を導入して4ビートのジャズをやらなくなりました。

しかし一転して他のジャンルに捉われないジャンルがあります。それはクラッシックです。西洋クラッシックは歴史が古いですし、ロックやジャズには影響は受けずに独自にクラッシック道を歩んでいます。ジャズはクラッシックの影響も受けて、モードを導入してモードジャズが生まれました。理論的にも西洋クラッシックにブルーノートを取り入れた音楽がジャズだったりファンクだったりブルースだったりします。ロックといえば、その音楽自体が西洋音楽理論をそのまま受け継いています。テレビで流れている売れ線のアイドル歌手の音楽も、西洋音楽理論で説明出来てしまいます。ロックで上手くクラッシックを導入しているミュージシャンも数多くいます。特にPianoを演奏する人は、クラッシックの影響を受けた人が多いです。坂本龍一さんとか。

私はクラッシックを聴こうと思いましたが、何を聴いていいのか分かりませんでした。音楽理論を習っていた師匠に何を聴いたらいいのか聞きました。その時に教えてもらったのがEL&Pです。Keith Emerson (Piano, Keyborad)、Greg Lake (Vocal, Bass, Guitar)、Carl Palmer (Drum)の3人です。Emerson, Lake & Palmer、略してEL&Pです。結成の発端は、The Niceに在籍していたKeith Emersonがメンバーの楽器に力量に不満を感じていて新メンバーを探していました。King Crimsonに在籍していたGreg LakeKing Crimsonでヒットしていたにも関わらず新バンドを探していました。The NiceKing Crimsonが共演したのをきっかけに、Keith EmersonGreg Lakeは意気投合して新バンドを作ることになりました。Atomic Roosterに在籍していたCarl Palmerを引き抜いてバンド結成に至りました。すでに3人とも知名度があるミュージシャンだったので、結成当時からメディアが注目していました。プログレ四天王の1つで、多方面に多大な影響を与えたバンドです。今回はEL&Pを取り上げました。

Emerson, Lake & Palmer (1970)

自分たちのバンド名をタイトルにした1stです。メディアが注目していたため、かなりの売上があったアルバムで、内容も凄い濃い作品です。Bartok BelaAllegro BarbaroLeos JanacekSinfoniettaJ.S. BachFranzosische Suitenなどのクラッシックの名曲を取り入れた曲が収録されています。クラッシックをロックテイストにしたアルバムです。

Tarkus (1971)

2ndは凄いアルバムで、Tarkus』の組曲になっています。メインリフはKeith Emersonの得意とする音階ですが、これをBassで弾くとなるとかなり難しく指がつりそうになります。私のGreg LakeBass Playerとしての評価は低いのですが、この曲だけは凄いと思いました。このアルバム、本当にやみつきになります。初めて聴いた時は何回リピートして聴いたことか。このアルバムがEL&Pの中で一番好きかもしれません。おすすめ盤です。

Pictures At An Exhibition (1971)

Modest Mussorgskyのピアノ組曲、Pictures At An Exhibition』を取り入れたアルバムです。このアルバムはライブ盤で、先にブートレグが出回ってしまったために急遽発売されたアルバムです。作り込みもそんなに凄くなく、いきなり途中からのアナウンスで始まります。ミュージシャンとしては未完のアルバムを出してしまったのですが、売れ行きは凄まじい勢いで売れまくりました。ブートレグ対策はミュージシャンにとって死活問題です。しかしブートレグの音の悪さ、雰囲気、生々しさがまた魅力になっているのも確かです。このアルバムも音質もそんなに良くなく、ブートレグに近い感覚で聴けます。私のクラッシックの扉を開いてくれたアルバムです。これも必聴盤です。

Trilogy (1972)

Aaron Coplandの曲をアレンジして後のEL&Pの代表曲となった『Hoedown』が収録されています。必ずライブで演奏する曲で、EL&Pを象徴する曲になりました。アルバムの出来も素晴らしく、EL&Pらしい曲が並んでいます。Trilogyとは3部作という意味合いがあります。このアルバムはスタジオアルバム3作目なので、このアルバムが3部作の最終作になるのかもしれません。しかしこの後発売されるスタジオアルバムも凄いことになっています。

Brain Salad Surgery (1973)

2ndTarkus』同様に組曲で構成されたアルバムです。Karn Evil 9』が随所に収録されています。また、Jerusalem』などが収録されていることから、宗教的観点が多く含まれている作品です。やはり前作のタイトルが3部作最終作的な意味合いがあったために、このアルバムの内容とは裏腹に売上はそこまで売れませんでした。

Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends…Ladies And Gentlemen (1974)

1973年と1974年のライブ音源から作られたライブアルバムです。LP3枚組 (CDでは2枚組)のアルバムで、非常に聴き応えのあるライブアルバムです。タイトルは、アルバム最初に収録されているアナウンスから取られました。このアルバムを発表して、次のツアーを持ってEL&Pは活動を休止しました。メンバーが多忙な毎日に嫌気がさしてきたとのことでした。

Works Volume I (1977)

本来はKeith Emersonがソロとして用意していたアルバムで、レコード会社の意向もあってバンド名義にするためにGreg LakeCarl Palmerが後から合流したアルバムです。ただしEL&Pとして3人でレコーディングした曲は少なく、Aaron Coplandの曲のアレンジ版『Fanfare For The Common Man』とオリジナル曲『Pirates』の2曲のみです。しかし『Fanfare For The Common Man』はシングルカットされ、EL&Pのシングルとして一番売れました。この曲も代表曲になりました。

Works Volume II (1977)

タイトルから前作の続編と思われがちですが、今までのアルバムのテイクアウトやKeith Emersonのソロ用として作られた曲が並んでいます。セールス的には振るわず、売れないアルバムになってしまいました。

Love Beach (1978)

3人ともEL&Pを続ける気持ちがありませんでしたが、レコード会社との契約が残っていたために作った消化試合的なアルバムです。今聴いても、今までのアルバムとは違った印象しか受けません。やはりEL&Pを続けるモチベーションが無かったので、気合いが入った曲が少ないのは確かです。しかしアルバム自体の売れ行きは悪くはありませんでした。

In Concert (1979)

Works Volume I』を作った時に行われたライブ盤です。EL&Pとオーケストラとの共演ライブです。曲数が少なく、当時LP1枚分の曲でライブのダイジェスト版的な内容です。後年曲数を増やした『Works Live』 (1993)として発売されました。時代はCDの時代になっていたので、2枚組のCDとして発売されました。解散が決まった後に発売されました。

Black Moon (1992)

メンバー各人が別々に活動をしていて、同時期にKeith EmersonGreg Lakeがソロアルバムを作ろうとしていました。しかしレコード会社はEL&P再結成を求めて、ソロでは売り込みが難しいとこれに応じてCarl Palmerを呼び寄せて作った再結成第一弾です。聴いた印象、プログレッシブロックというよりもKeyboard Trioのハードロックっぽい作りになっています。アルバムとしての出来は悪くなくてEL&Pらしい曲も収録されています。ただ、初期の頃とは違ったEL&Pです。時代が変わってサウンドも変化したのでしょう。

 Live At The Royal Albert Hall (1993)

『Black Moon』発表後に行ったワールドツアーからのライブ盤です。最新アルバムからと解散前の曲とベスト盤的な内容になっています。やはりEL&Pのライブ盤は最高に格好良いです。

 In The Hot Seat (1994)

再結成第二弾スタジオアルバムです。このアルバムでは、Boxセットに収録したスタジオレコーディングのPictures At An Exhibitionの短縮版が収録されています。このアルバムを発表した後に、解散声明は出さずに自然消滅してしまいます。メンバー各人が個別に活動を活発化させていったのも理由にあると思います。このアルバムの出来も悪くはありませんが、昔のEL&Pとは違うと批判されました。

High Voltage (2011)

Keith EmersonGreg Lakeはデュオとして活動していましたが、これにCarl Palmerが合流して一夜限りの再結成をしたライブアルバムです。このライブでCarl Palmerは、『EL&Pとしての演奏は最後』と声明を出しました。

Keith EmersonGreg Lakeが死去

このニュースはロック界にとって衝撃的なニュースでした。2016年にKeith EmersonGreg Lakeが立て続けに亡くなってしまいます。残ったCarl Palmerは落胆の色を隠せませんでした。自身のバンドをCarl Palmer’s EL&P Legacy名義にして、2017年にKeith EmersonGreg Lakeを追悼するワールドツアーを行いました。

これでEL&Pとして再結成は不可能となってしまいました。最後のライブが2010年7月25日でちょうど10年前です。未だにプログレファンから愛されるバンドです。クラッシック導入の先駆者たちでした。クラッシック入門にはちょうどいい作品が多数存在します。『Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends…Ladies And Gentlemen(1974)まではどのアルバムを聴いてもハズレはありません。逆にクラッシック入門のためでは無く、格好いいロックとして聴いて欲しいバンドです。

EL&Pはライブパフォーマンスも必見

EL&Pのライブパフォーマンスは過激です。特にKeith Emersonのパフォーマンスはオルガンが壊れるのではと思えるくらいに過激です。オルガンをひっくり返したり、ナイフを刺したり。見てて飽きません。パンクバンド並みの激しさで、本当にプログレバンドかと思ってしまいます。しかしそれが格好いいのです。Keith Emersonは若い頃は非常にいい男でした。美男子がオルガンを壊すくらいのパフォーマンスのギャップがいいのです。それと必ずやるのが、Carl Palmerがツーバスをドコドコと連打している中でTシャツを脱いて上半身裸になるパフォーマンスです。これを得意としていました。Greg Lakeは激しいパフォーマンスはありませんが、見所としてはマイクが唇に当たって感電するのを恐れて絶縁体として自分の立ち位置に必ずカーペットを敷いていました。それくらいかもしれません。CDを聴くのもおすすめですが、映像作品を見るのも飽きません。おすすめです。

補足:私のGreg LakeのBass Playerとしての評価の低さ

Greg LakeBass Playは下手ではありません。ただ、Greg Lakeはピック弾きしかやりません。ピック弾きは使い方によれば非常に有効な演奏法ですが、プログレバンドでピック弾きしかやらないBass Playerは好きでは無いのです。色々な演奏法を使うのならいいのですが、ピック弾きのみというのはBassらしさが抜けている感じがするのです。割とシンプルでルートのみを刻むハードロックとかならいいのですが、変拍子や難しいフレーズだらけのプログレッシブロックには不向きだと個人的に思うのです。なので、同様にYesChris Spuireに対する評価も低いです。Greg LakeはもともとGuitar Playerで、King Crimsonに呼ばれた時にRobert FrippからBassにコンバートされた経歴があります。ピックのみしか使わないのも仕方ないのかもしれません。ちなみにGreg LakeRobert FrippGuitarを習っていた先生が同じ先生です。

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